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84 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 05 22.30 ID 1b33W5PM 曙「か、改装とかいって、私の裸が見たいだけなんでしょっ、このクソ提督!」 開口一番に曙は私に食って掛かる。 いつもの光景だが、今日はいつもとは少し違う。 先ほど自前で特別な護符を拵えたのだ。 特殊な術式によって相手の心が読めるというなんとも垂涎モノ・・・もとい、危険な代物である。 しかしやはりと言うべきか、使用条件がかなり限定的で、心を通わせていない者の心はあまりよく聞き取れない。 逆に言うとはっきり聞こえれば聞こえるほどお互いが信頼し合っている証拠となる。 そもそも何故このような護符を作ったかというと、深海棲艦の心を探るためなのだが、試験段階で上記のような致命的な欠点が見つかったために計画は白紙に戻っている。 改良も試みられたが、研究の結果それが不可能であることが分かった。 心のつながりのない者の心うちを知るには、精神破壊が必要だったのだ。 敵の心を知るためにその心を壊しては意味がない。 かといって信頼し合う仲になることは不可能だし、そんな仲になっていたらこんな戦闘は必要ないわけだ。 辛うじて読み取れたことは、「寒い、冷たい」という感情と強い憎しみだけだった。 この護符は凍結という決定がなされたが、当時の研究書は見ていたため呪印などすべて覚えている。 話がだいぶ脱線したが、つまり、いつも突っかかってくる曙は、果たして内心はどうなのか? と気になったという好奇心の元、この護符を発動させるに至ったというわけだ。 きっかけは曙のこの一言だった。 曙「気に入らないなら、外せば?」 そういう彼女の声は震え声だった。 あの時彼女はどんな気持ちだったのだろうか。 彼女に戦力外通知をした覚えはないし、彼女のミスを責めたことも一度もないのだが、知らず知らずに彼女を追い詰めていたのだろうか。 当然史実での彼女の不遇は承知している。 ふと、今の彼女の心が知りたくなった。 そして冒頭のセリフを言った後の声ははっきりとこう聞こえた。 曙「(ありがとってホントはいいたんだけどなぁ・・・)」 提督「ふむ・・・」 まさかここまではっきり聞こえるとは思わなかった。 かつて親に試した時でさえここまではっきりとは聞こえなかったように思う。 提督「そうか・・・。曙の今後の活躍に期待しているぞ。・・・」 曙「ふんっ!」 曙「(うれしい・・・///。絶対活躍してみせるわ!見てなさい!クソ提督♪)」 曙「私に十分感謝しなさい、このクソ提督♪」 曙「(すごいでしょ!?私がんばったよ!この勝利は敬愛する貴方へ捧げるわ!)」 先の作戦でMVPをかっさらった曙は、提督執務室のドアをドカンと開けると 頬を薄らと赤くさせて高らかに宣言した。 瞳はキラキラと輝き、こんなにはつらつとした彼女を見たのは初めてかもしれなかった。 ここ数日彼女と接してみて分かったことがある。 どうやら彼女は俗にいうツンデレのようだ、ということだ。 改修をすればするほど悪態をつくのだが、それは素直になれない彼女の照れ隠しだ。 髪が長くて維持が大変そうなのにずいぶんと綺麗だなと褒めたときなどは セクハラだと怒っていたが、心ではものすごく喜んでいた。 後日、さらに髪の美しさに磨きがかかり、いい香りまでするほどになっていた。 提督「じぃ~(やはり曙の髪は綺麗だなぁ・・・)」 日の光に照らされて艶やかな髪に視線を這わせる。 曙「何よ?こっち見んな!このクソ提督!」 曙「(見られると恥ずかしいのよ、ばかぁっ)」 提督「ふむ・・・」 ムクムクといたずら心が芽生え、曙のそばまで歩み寄る。 曙「何?何か用?」 曙「(近っ、近い近い!)」 そっぽを向いて不貞腐れた態度をとる曙だが、 何処となくソワソワしている。 提督「曙、MVPよくやってくれた。感謝している」なでなで 曙「なっ!?何で触るの!うざいったら!・・・・・・・・もう」 曙「(あ・・・うれしい!ホントはもっと撫でて欲しいけどこれ恥ずっ・・・///)」 さらに追い打ちをかけてみる。 提督「曙の髪はサラサラで心地よいな。心が落ち着くよ」なでなで 曙「し、仕方ないわね。ちょっとだけ・・・よ?」 提督「ありがとな・・・曙」なでなで 思わぬところで素直になった曙が意外だったが、 日頃戦いに出ている彼女を労わる気持ちでさらに撫でる。 曙「///」ムスー 曙「(ちょっとくらい・・・いい・・よね///)」 しばらく撫でていたのだが、居心地が悪いのかモゾモゾしだした曙の 上目づかいな視線と目が合わさる。 曙「あ・・・・」 曙「(提督の顔・・・近い。・・・・キス・・・とか。ね・・)」キュン 提督「・・・」なでなで・・・ぴた 顔を真っ赤にしてこちらを見上げる曙と、そのまっすぐな心の声に ドキっとして撫でる手を止めてしまった。 どうやらこの護符の効果は相手の感情に引っ張られるらしい。 そっと手を曙の頬に添える。 曙「ん・・・・」 目を閉じた曙のまつ毛は、小刻みに震えている。 綺麗なピンク色をした唇はキュッと閉じられ、 まるで侵入者を拒むかのようだ。 彼女の髪からふわっと心地よい香りが鼻をくすぐる。 提督「曙・・・・」 そっと腰に手を回して彼女を抱き寄せる。 少し前にかがんで彼女の唇に吸い寄せられるように顔を・・・。 バーーーン!! 島風「ていとくーーー ー!かけっこしよーーーー?」 曙・提督「!!」 突然やってきた島風に驚いた曙はパチっと目を開ける。 後数センチまでの距離だったため、見つめ合う格好になった。 曙「あ、あ、あ・・・」 どんどん涙目になっていく曙にどうしたものか、突然のことに頭が回らない。 島風「どうしたの?見つめ合っちゃって」 曙「わぁっ」ドン 提督「うわっとと」ぐいーーっ 曙・島風「きゃぁっ」どたんばたん 突然突き飛ばされたためバランスを崩し、咄嗟に伸ばした手で島風と曙を巻き込んで倒れ込んだ。 島風「痛たたた・・・。ていとくひどいよ!もう・・・。あ・・・!」 曙「んん・・ん・・・」 一緒に倒れ込んだ時に、幸か不幸か曙と先ほどの続きをすることとなった。 曙「んん!?んー!んーーっ!!・・・んはっ・・・はぁはぁ」 島風「ごめんね、上に乗っかっちゃってた」 曙「ッッ」 ガバっと起き上がると、曙は一目散に走り去っていってしまった。 提督「曙ッ!待っ・・・」 島風「おぅっ」ドターン 慌てて追いかけようと立ち上がったものの、島風の服のボタンと絡まってしまい島風を押し倒す格好になってしまう。 島風「ん・・・」 提督「・・・!!」 思い切り押し倒して口づけしてしまっていた。 島風「(あ・・・私、てーとくとキス・・・してる・・・)」 島風「んちゅっ・・てーとく・・・んふっ・・・」 島風「(てーとく・・・大好きだよ!)」 ドック帰りとはいえ戦闘後で高揚している島風は、切り替えが早く高まる気持ちを抑えきれずにしがみついてきた。(だいしゅきホールド) 護符の効果により島風の想いも強烈に流れ込んでくる。 さっき倒れた拍子に、右手は島風の胸の上にあり、ささやかながらもやわらかい弾力が指を押し上げてくる。 提督「島風・・・」 やさしく髪を梳いてやり、気持ちを落ち着かせてやる。 島風の目を覗き込み、愛おしむまなざしで語り掛ける。 提督「島風、俺もお前が好きだぞ。」 島風「てーとく・・・・」 すでに赤くなっていた島風の顔が、ポッとさらに赤くなる。 しかしそれは嬉しさ半分悔しさ半分である。 島風「・・・てーとく、ずるーい」 ぶぅ、と膨れる島風は、言葉にせずともこちらの心を読み取っていた。 おでこにキスをして島風から離れる。 島風「ぶーぶー」 島風「(絶対一番好きって言わせて見せるんだから!)」 不服そうな島風だったが内心は幸せいっぱい、残念がちょっとという感じだ。 口づけした唇をなぞり、キスされたおでこを触って見上げながら、にひひっと幸せが漏れていた。 島風「てーとくのことあきらめないんだからねっ!」 そう言い放ち、島風はパッと立ち上がったかと思うとあっという間に走り去ってしまった。 提督「・・・・やれやれ、どうしたものか」 あれはいずれ食われるな・・・(自分が)。覚悟をしておいた方がいいかもしれない。 そう思う提督だった。 島風の過去を視たときからどうも島風に懐かれてしまったのだが、まさかここまでの想いに膨れ上がっていようとは思いもしなかった。 護符がなくとも艦娘たちから好意の視線を感じていたが、やはりと言うべきか、いざ心を見てみるとこれでもかと情愛の念があふれていた。 嫌われていると思っていた曙ですらアレだったのだ。 他の艦も推して知るべし。 この護符について一つ分かったことがある。 心を通わせている者でも相手の心が読めない場合がある。 島風からは好きという感情が強すぎて他の心の声がかき消されていた。 どうやら伝えたいという気持ちが重要であるらしい。 ならば深海棲艦の伝えたかった事とはいったい何だったのだろうか・・・。 寒いといっていた彼女たちは何を想い、願っているのだろう。 彼女たちの魂を救いたいと、切に願わずにはいられなかった。 +後書き 90 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 13 40.56 ID 1b33W5PM 以上です。 ケッコンカッコカリがものすごい重婚状態のためこのような流れににに・・・ いつかの島風の続き物だけど何故か曙の話になった。 そして我が艦隊の曙は遠征組でそれほど活躍してないんだけど キラ付けのたびにつついてたらあの震え声が気になってSSにしてみた。 ちなみに我が鎮守府の秘書官は如月で、大井っちや北上さんなどなど何名か愛人枠にいます。 いずれ登場させたいなぁ
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343 :6-632:2014/02/07(金) 02 09 48.35 ID 3RjczXZM 「どういうことだ、クソじじいども」 俺は激怒した。艦娘の生存率ばかり気にしてまともな戦果が少ない俺の艦に “アレ”の装備を強制執行しようとしているらしい 『あの武器だけは、やっぱり載せないで』 『あぁ、絶対載せないさ。お前の頼みだからな』 恋人の、北上の願いを踏みにじる訳にはいかない。 俺は咄嗟に改装工廠へ走って行った 「やめてよ!やめて!!こんなの載せていいなんて言ってない!」 工廠に着くと北上が絶叫しながら“アレ”の装備を拒んでいる 「提督も、載せないって約束してくれたのに!なんでなのさ!」 どんなに北上が叫ぼうとも聞く耳を持たない工廠担当のクソじじい共 「俺は、北上への“アレ”の搭載は認めていないはずだが?」 工廠担当に問う。まぁ、答えは“予想通り”のものだったが・・・。 「大本営の決定です。少将の御意向は関係ありませぬ。少将が止めよと厳命されましても、大本営の命である以上実行します」 そう良いまるで卑猥な笑みを浮かべると、嫌がる北上に無理やり“アレ”を取り付ける アレを取り付けらたショックからか俺が止められなかったショックからか 北上はただポロポロと涙を流すだけだった。 俺は耐えられなかった だから、護身用の銃で工廠のクソじじいをぶち抜いてしまった。 「守も攻めるも黒鐡の浮かべる城ぞ頼みなる・・・」 ここに来てから何日立つのだろう。俺は何回“行進曲 軍艦”を口ずさんだんだろう あの日、工廠のじじいをぶち抜いたその後、憲兵にひっ捕らえられ、投獄された 当たり前と言えば当たり前の事ではあるのであるが 俺が投獄されてから、ずっと北上は俺の牢の前から動こうとしない 「北上・・・。いいかげん新しい司令の命令を聞いて出撃しろ。出ないとお前も」 俺は北上を諭す。新しい司令の命令無視を繰り返し俺の牢の前にずっといる いくら艦娘とて、命令無視と敵前逃亡で軍法会議にかけられれば処刑は避けられるであろう それは嫌だ。絶対に北上には生きていてほしい。 「アタシ、提督の命令じゃないと戦場に出たくない。新しい提督の命令無視して牢屋にいれられるなら、それで良い」 不安なのか、寂しいのか、それともこの牢が寒いからなのか北上が震えている 俺は毛布を手を出すのがやっとの大きさの鉄格子から北上に手渡した 「ありがとね、寒かったんだ・・・。でも寒いだけじゃないよ?」 北上の目にどんどん涙が浮かんでくる 「好きなのに、大好きなのに提督と手もつなげない、キスもできない、エッチだって」 北上が絞り出すように言う 「俺だって・・・」 そう言い、鉄格子から手を出し指を絡める。 「ほら、手ぐらいつなげるだろ?だから」 北上は力なくうなづいた。 そして、俺の牢の前から姿を消した 北上は毎日俺の牢まで来て色々な話をしてくれる 新しい提督は、艦娘の生存率よりも戦果を優先して皆嫌っていること 第六駆逐隊が疲弊していても、中破レベルの怪我をしていても進撃させること 北上いわく、新しい提督は駆逐艦は消耗品としてしか見ていないかもとの事 そして、そんな姿をみて心配してしまうからウザイとのことだった そんなたわいない会話をしているときだった 「ねぇ、提督・・・。シたい」 突然北上が行ってきた。 「あのさ、エッチはできなくてもこの鉄格子の大きさなら口ではできるでしょ」 そう言い、指を絡めてきた。 俺も投獄されてから満足にオナニーすらできず、かなり溜まっていた 俺は反り返った性器を鉄格子から北上に向けて突き出した 北上の口が俺のペニスを飲んでいく 亀頭を丁寧になめまわし、裏筋を刺激するように咥えながら舌を使ってくる 口内の温度と絶妙な舌技で、溜まりにたまった俺はあっけなく北上の口内へ 大量に射精してしまった。 「提督・・・。ごめんね」 そういうと、北上は突然下半身を露出させ果ててもなお大きさを保つ俺のペニスを 自分の性器にあてがった。 「アタシも欲しいよ。提督の、だから」 そう言いつつ、北上の性器は俺のペニスを飲み込んでいく。 しかし、鉄格子のせいで奥まで、根元まで入れることはできない。 sれでも俺は北上を満足させたい一心で、気持ちよくなりたい一心で小刻みに腰を動かした 牢獄に似合わない水音と北上の甘い声 「提督・・。奥まで欲しい、無理なのは解ってる。でも奥まで」 「ごめん、俺も北上の奥まで入れたい。もっと深く愛したいでも」 北上と俺の間をふさぐ鉄格子が憎い そんな状態でも「大好きだよ提督」と何回も何十回も言ってくれる北上に愛しさを感じつつ 二回目の射精を迎えようとしていた 「北上、俺」 「うん、提督のちょうだい、アタシも一緒に」 その言葉を聞き北上の中に今まで以上に射精した。 行為を終え服を整えた後に普通の恋人同士ならキスをするのが定番だろうが 鉄格子が有るがゆえに、互いの指を絡ませた 北上と数日振りに交わった夜の事だった 『司令官・・・。もっと私を頼ってくれてもいいのよ』 「ん?なんだ雷まで来てくれたのか」 『そんなんじゃ、ダメよ!』 「まぁ、俺がやったことだしな。良くて一生このまま、悪くても銃殺だろ?」 たわいない会話に思えた。唯一違和感を感じた所は・・・・。 会話していたはずの雷が帰る時に、光に包まれながら消えて行ったことだ 嫌な予感はしていた 次の日、俺の牢の前に現れた北上の表情はいつもにまして硬かった 「あの、新しい提督さやっぱり駆逐艦の事何とも思ってないんだよね」 第一声がそれだった 「雷が沈んだのか?」 北上は驚いた表情でなぜ知っているのかと尋ねた 「実はあの後な、雷が俺の牢まで来てな。最後に歩いて帰らずにスーっと消えちまったんだ」 夢枕に立ったと表現しても良いだろう。 北上情報によれは、俺の代わりの提督は功を焦るばかり、複数の駆逐艦の傷を放置 そのまま進撃させそのまま沈めたそうだ それに金剛姉妹、加賀、北上をはじめとする軽巡・雷巡が不信感と怒りを露わにしていると の事だった。 無論命令違反も そこがターニングポイントになってしまった 翌々日俺の軍法会議 裁判は5分もかからず俺の死刑が確定した その日がやってきてしまった 俺は目に白布を掛けられ、椅子に座らされ、手足を縛られている 海軍ご自慢の銃殺刑という訳だ 執行役が到着するが様子がおかしい 「アタシがなんで提督を殺さなきゃいけないのさ!」 軍上層部は“命令違反・軍規違反”を繰り返す元俺の艦娘達への見せしめのためにも 北上を執行人に指名したのだ どこまで腐敗してやがるのか底が見えない状態だ 「北上!俺の最期の命令だ!この命令に従え!絶対だ」 俺は声を張り上げた、 北上の声にならない叫び、これが最期に聞いた「音」だった *************************************************************** アタシは恋人を殺した。 もう何もかもわからない どうして“アレ”を載せておけばよかったの? 何でアタシなの? もう嫌、なんでアタシばっかり ********************************************************** アタシはろくに入渠もせずにこの作戦に従事している 大好きだった人の後任の提督はまさにクソ提督と言う奴で本当にウザイ アタシは満身創痍。もう2・3発食らったら沈みそう いや、本当は沈みたいから入渠していなんだ。 秘密裡にイムヤにお願いしてあるんだ。アタシが沈んだら取り合えず陸まで運んでって 木曾にお願いしてあるんだイムヤがアタシを陸に上げたらあの人と一緒のところに埋めて欲しいって 「帰投せよ、帰投せよ」 何か聞こえたけど、気にしない。さて前進しますか あ、ヤバいフラグシップの戦艦が居る。 直撃コースだこれ・・・・。 ねぇ、あっちの世界でも会えるよね・・・。アタシの大好きな提督 **************************************************************** 木曾は死者を冒涜するのは嫌いだがと前置きをしつつ、 元上司である提督の墓を掘り起こした。もう既に数か月が経過しており 亡骸は骨だけになってしまっているが、その骨に寄り添うように北上を安置した 最期の手向けと言わんばかりに、冷たくなった北上の手をそっと骨の上に置いた 見間違えかもしれないが、一瞬北上が微笑んだように見えた “あの世”で二人が再会し、仲睦まじく永遠の愛を誓えることを祈り 土をかぶせた +後書き 348 :6-632:2014/02/07(金) 03 12 30.55 ID 3RjczXZM 以上胸糞悪い作品おわり ちなみに、雷の描写は実際に駆逐艦雷が轟沈した夜工藤艦長の元に 部下だった乗組員が枕元に立ち、艦長!艦長!と言いながら消えて行った話を ベースにしてみました 次は誰か孕ませるかまたシリアス系にするか思考中です 349 :名無しさん@ピンキー:2014/02/07(金) 03 15 07.90 ID BUVFWGbX 343 北上がアレのせたくないのは命の重さを知ってるからなのに 提督があっさりと殺しちゃだめだよね 案の定BADENDまっしぐら・・・ もしその状況で最善の手があったとしたら 後任が酷い作戦実行するような息のかかった奴が送られてくるの予想できるんだし 提督は退任させられないように適度に戦果挙げつつ 最小限の犠牲になるようにするしかなさそうだな たとえ最小限とはいえ犠牲を出す作戦で艦娘たちに嫌われたとしても 自分も紳士スレに北上にアレ強引に乗せる小ネタ書いたんだが結末が違いすぎてびっくりしたw
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お尻ぺんぺんとかがあるので嫌いな人はNGよろしく。エチュエム!!エチュエム!! ------------------------------------------------------------------ 鎮守府・提督執務室── 「この、」 制帽に眼差しを伏せた提督の手の中で、鉛筆が2本、まとめて音をたててへし折れる。 「……大バカもんどもがァァーーーーッッ!!!」 四十六糎三連装砲並みの怒声が、鎮守府のすみずみにまでも響き渡る。 執務室の窓が、台風の時のように大揺れに揺れる。次の瞬間、それらは内側からの音圧に耐え切れず緩やかに外側へ膨らみ、撓おうとした窓枠との力の対立に耐え切れず、ぱりん!ぱりーん!と弾けて飛んでいった。 「貴様らは? いったい? どういう? 了見で? ──平和であるべき食事の時間に? いさかいなんぞ? 起こしたのだ──」 奥歯を鳴らした提督が、常に護身用に傍らに置いてある短鞭──郷里で趣味にしていた乗馬用の流用だそうである ──で自らの手をぱちぱちと、語尾を上げるごとに叩いている。 「あ゛あ!?」 凄まれたその眼光こそ、深海棲艦も恐れをなして逃げ出すであろう。直接の叱責を受けていながら、“ああ提督、怒ったお顔も勇ましくてお素適です”などと頭の片隅で加賀は思う。 「……そ、その──……最初は、些細なことだったのです。……」 つかえつかえ、鞭のなる音の中、加賀は釈明する。 艦娘たちの食事は、“食事”という名前こそ取っているが、要するに燃料補給である。 人間の姿かたちである以上、提督の食事に相伴したりもするが、 本当の食事は鋼材であったりボーキサイトであったり弾薬燃料であったり──要するに、諸々の資材である。 その資材が、彼女たちが茶碗へ注いだり椀へ盛ったりする段階に、 何故か米飯や味噌汁や数々の菜の格好に変じているのかはともかくとして、だ。 始まりは赤城が、加賀の“食事”を、自分よりも多いとからかったことによる。 正規空母は、製造──生まれてくるにも勿論だが、維持していくにも数多の資材が要る。 とある中尉に“女も積めばノン・ストップ”と言わしめた原子力空母のようには、中々都合よくはいかない。 それはしばしば食事の風景において、たおやかな外見の娘らしからぬ大食漢ぶり、という見た目になる。 そして艦娘たちが、おおよそ女学生ぐらいの精神年齢であることを鑑みれば、 同性に大食いと言われることは、耐え難い侮辱なのである。 言った相手も言われた相手も、そのクラスは正規空母。飯の量のわずかな多寡で、 ましてや、その言う相手が姉妹ならば。 ──食卓は、戦場と化した。 口の出し合いから始まり、なぜかお互いの艦載機がひらひら空中を舞い始め、 そして赤城が打ち振るった皿が運悪くその手からすっぽ抜け──加賀がとり舵一杯でそれを避け ──騒ぎを聞きつけた提督の額に、気持ちよく真正面からクリーンヒットしたのである。 提督の制帽の上には、美味そうにこんがりと焼けた秋刀魚(弾薬)が載る結果となった。 入渠中の赤城は、整備兵によって素早く“修復継続の要あり”と庇ってもらえたが、 五体無事な加賀はそうもいかない。 「ほーーーーー」 「以上──報告は終わりです、提督。申し訳ありませんでした」 提督は鞭を鳴らし、その先端を片手で受け止め、といった苛立ちの挙措そのままに、加賀を睨んでいる。 「ぶっちゃけ言うぞ。阿呆か貴様らは」 「返す言葉もありません……」 「大体、兵装の良し悪しで、自分が強いお前が弱いといった言い争いなら、 軍人誰もが自分最強と思いたいものだから分からんでもないが。 何が悲しゅうて、俺の艦娘がメシで争わなきゃならん?」 「申し訳ありません……」 「貴様らは出撃して無事帰還してメシ食って寝て出撃して、とっととこの戦争を終わらせることに終始しろ。 いいか、以後二度とメシで争うことは許さん。 ……俺が、艦娘の食事も満足に調達できん甲斐性なしと言われている気分になる」 「て、提督」 素直に許されたことを喜ぶべきか、まだ眼を伏せておくべきか迷った加賀の頬が、少し熱くなった。 秘書を務める高雄が、“怒りっぽいけれどお可愛らしい方ですよ”と微笑む理由が分かった気がしたが、直立不動は崩さずにおく。 何しろ提督は、以上だとかここまでだとか、解散だとかいう言葉を口に出していない。 「説教はここまでだ。来い、加賀」 ──そして、人差し指を振って、提督は加賀を呼んだ。 呼ばれた加賀は素直に、執務机を回り込み、彼の椅子の横に立つ。 「……きゃっ……!」 「……後は、姉妹仲をきちんとするよう、お仕置きをしておかんとなあ」 腕が引っ張られた、と思った瞬間には、加賀の身体は倒れこんでいた。椅子に腰掛けた提督の膝の上に、まるごと上体を伏している。 だが脚は投げ出されているから、丸っきり幼児に対する仕置きの姿勢と変わらない。 臀の肉を遠慮なく、五指の爪をめり込ませるようにして揉まれる。ぺろんと、短い行灯袴まで捲られてしまった。 「てっ、提督っ、何、なにをなさっ……きゃあッ、いやあッ!」 「……駆逐艦たちはまだ子供子供しているからな。これでも俺はまだ自重の強いほうだぞ。 暴れるな加賀。少し踏ん張れ──そらっ!」 「痛ぁっ……!」 派手な音と共に、加賀の臀部に、赤い大きな紅葉が咲いた。 痛み自体はそれほどでもないが、繰り返すに女学生ほどの精神年齢の艦娘にとって、 尻を引っぱたかれる行為は、羞恥以外の何ものでもない。 提督も、鎮守府の長として赴任してくる前には、各種“精神注入棒”にさんざん痛めつけられたのだろう。 今加賀に振るわれているのが、真物の“バッタ”でないだけマシとは言えようが、痛いものは痛い。 「姉妹(きょうだい)は仲良く! 飯が少なければ分け合い! 提督を! 嫉妬させるくらいの! 仲むつまじさで! おるようにせよ!!」 「は、はいっ──てっ、提督っ、もっ、痛っ、ごめんなさっ──申し訳、ありませんーッ!」 ついに加賀が本格的な涙目になるころ、提督の仕置きは終わりを告げた。 痛む臀は、袴が戻ってくるだけでもひりひりする。それでもはしたない姿は見せるまいと、 加賀はなんとか机に両手をついて、どうにかこうにか提督の膝から体を起こす。 「加賀」 折れ曲がった袴の襞が、再び捲り上げられて、加賀の腿にひんやりと空気が染みた。 それだけではない。硬い、皮革で作られた舌が、彼女の秘所に、下着越しにめり込んでいた。 「貴様、こいつは何だ? 仕置きだと言っただろう、よりにもよって尻を撲たれていたのに濡らすなんぞ──」 「……っ、あァッ!?」 加賀の秘所を蹂躙しているのは、提督が携えた乗馬鞭だ。 熱を持ったそこが、温かくも丹念でもない革鞭の先端に、滲んだ愛液とともにぐりぐりとこね回される。 意に反して蕩けたその中に下着が食い込んでいき、発情した粘膜を提督の眼前に露にした。 今や加賀は、執務机に上半身を伏せ、真赤に腫れた臀と、ねっとりと綻びた女の秘密を、提督に向けて突き出す格好だった。 「……普段はつんけんと取り澄ましているくせにな。加賀、貴様の夜戦に関する練度はどんなもんだ? あ?」 「んんぅっ……! や、提督っ、そこ、やめてっ──はう、っア……!」 持ち替えられた鞭が、今度は重点的に、一番敏感なクリトリスをとんとんと叩き始める。 愛液でぬるぬるの革は、やや強い刺激ではあれど、痛むものではない。 それどころか、ひと叩きごとに蜜の量は増えるばかりで、秘所はすっかり下着から透けていた。 加賀が恐れるのは、提督の気まぐれだ。もし思い切り、こんな状態の秘所を打たれてしまったら。 痛みに気絶できるならば、まだいい。その刺激で、快感のはじけた先へ連れて行かれてしまったら。 気づけば彼女の腰は切なげに揺れるようになり、提督が鞭を自ら動かさなくとも、 悦いところを探して淫らなうねりを見せていた。 秘所の谷間のふくらみの中に、加賀が鞭を挟みこんで、喘ぎ声と愛液を垂れ流すようになるまで、 提督はにやにやと笑みを浮かべたまま、その遊びに熱中していた。 「んっ、んくぅっ……て、提督っ、…………わ、わたしっ、だめです──おかしくなってしまうっ!」 既に加賀の腿には、愛駅がべったりと、油のように滴っている。 戸惑いがちな腰の動きは、彼女の悦楽に火をつけて煽るばかりで、達する直前ではあっても、 解放するまでには至っていないらしかった。 提督の笑みがいっそう深くなり、今度は鞭の先端を下着へ引っ掛けて、小器用にぺろりとそれを剥ぎ取る。 加賀の欲情をたっぷり含んだ薄い布地は、頼りなく彼女の太股へ引っかかり、艶めかしくそこを彩った。 「……そんなに男のものが欲しいのか。いいぞ、加賀──くれてやる。たっぷり味わえよ」 「──……っ、ん、あぁっ、あ、いやぁあぁっ……!!」 とうとう膣口に訪れた剛直の熱さが、一瞬で加賀を狂わせた。 ぎりぎりで堪えていた欲情が、秘所から爪先、頭のてっぺんまで駆け上り、浸していく。 初々しい襞がきゅうきゅうと牡を締め付け、子宮へまでも導こうとして、絞り上げる。 二人の肌のぶつかり合う音が、先ほどの打擲よりも激しく、嫌らしく、執務室に長いこと響いた。 「沈んじゃうっ……提督、加賀が、しずんじゃいますッ…………提督ので、あんっ、轟沈、させられちゃ、う──、!」 やがて、喉奥から随喜の叫びを放って、背筋を反らしながら──提督の剛直を食い締めながら、加賀が達する。 結合部に淫らな匂いの熱い潮が浴びせられて、それを感じ取った提督もまた、大量の精液を膣内にぶちまけた。 絶頂してもなお、雄を締め付けて離そうとしない膣に苦労しながら、彼はぽつりと呟いた。 「やれやれ。……一航戦は良く似た能力だが、姉妹揃って──これとはな」
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前回の話 3-1-A 太陽は頂点を少し過ぎていた。 南洋の陽光はギラギラと容赦なく照り付ける。 暑い日曜日の昼下がり。 今日は艦隊の休養日だ。 かつて、月月火水木金金と言われはしていた。 現実には人と同じように艦にもオーバーワークは禁物だということは 理解されていたらしく、平時の日曜日は休養日に充てられていた。 無論、今は戦時であるが艦娘達に疲労が溜まらない様に提督は即応待機の部隊を除いて、 休養日を設けていた。 だが流石にこの太陽の下に出歩く艦娘は少ない。 全館に戦艦大和並みに冷房設備を施している鎮守府内で艦娘達は思い思いの休みを 満喫している。 昼食後の厨房には幾人かの艦娘達が集まって料理をしている。 きゃいきゃいとかしましい談笑が聞こえる中、セミロングボブの艦娘が自信無げに オーブンを眺めている。 ピンクのフリルで飾られたエプロンは粉と恐らくはこねた小麦粉が付着して乾いた と思しきゲル状の物体で彩られている。 チーン、というタイマーの音に少しビクつきながらもおずおずとオーブンの扉を 開けて天板を取り出す。 天板にはほかほかと湯気を立てる黄褐色の焼き菓子が整然と並んでいる。 「あら、羽黒ちゃん上手にできたじゃない」 和装に割烹着の艦娘が羽黒に笑いかける。 艦隊の母、軽空母 鳳翔 だ。 「は、はい。あの、ありがとうございます」 羽黒がぺこりと頭を下げる。 ラードを練って作ったサクサクのクッキーをバスケットに取りながら羽黒は、 はにかんだ笑顔を浮かべる。 第五戦隊を構成する妙高型4姉妹は連日出撃を繰り返しており、即応待機からも外されて ここ数日は完全な非番である。 那智と足柄に至ってはドッグの空きに提督に無理矢理押し込められるようにして入渠中だ。 そうでもしないと大破するまで出撃を繰り返しかねない、とため息まじりに提督が 苦笑いするのを羽黒は見ていた。 3-1-B 『提督は優しいのですね』 とドッグ入りする二人を見送りながら榛名が提督の傍らで微笑んでいたのが羨ましかった。 -私も提督の傍にいたい。できれば、手、なんかつないだり…… だが、自分の引っ込み思案な性格を熟知していた彼女にはそれは難問だった。 悩みに悩んだ挙句、彼女は艦隊の母、鳳翔に相談を持ち掛けた。 いつもなら姉たちに相談をするところだ。 だが、提督と同衾しているところを目撃してしまってからは姉たちと提督の話をするのが どうも気が引ける。 二人の姉、那智と足柄に至っては、酒が入ると体位がどうの口での奉仕がどうのと 大和撫子にあるまじきはしたない猥談を長女の妙高に注意される始末。 その妙高も提督とは関係を持っているのは周知の事実であり、羽黒からすると余裕すら 感じられる。 そこで、艦隊でも古参であり、提督の事も良く知っている鳳翔に駆けこんだのだ。 話を聞いた鳳翔は穏やかな笑顔で話を聞き終わると 『やはり、殿方を落とすのは胃袋からね』 と言って初心者でも簡単にできるクッキーの焼き方を付きっきりで教えてくれたのだ。 『提督はお酒を飲まれるし、初心者の羽黒ちゃんでも作れる甘さ控えめの中華クッキーに しましょう』 こうして、今、半日かけた羽黒の苦心がまず一つ報われようとしていた。 「……喜んでくれるかな」 幸せそうな羽黒の笑顔を横からニヤリと半月に笑う顔が覗き込んだ。 「そうだねぇ、甘さ控えめは呑ん兵衛の提督向きだからね~」 「えっ、その、あの、隼鷹さん」 元が客船だからか、意外にも料理が得意な隼鷹がからかう。 この軽空母は軟派なふりをして意外と洞察力に定評がある。 「ち、ちち、ち、ち、違いますから、私、その、ごめんなさい!」 「ひゃっはー、図星かな~」 顔を真っ赤にして羽黒はバスケットをテーブルに置くと速力一杯で厨房を飛び出していった。 「ちょっと隼鷹、意地が悪いわよ」 「たはは、めんごめんご。にしても素直で可愛いねぇ」 陽気な軽空母は姉妹の飛鷹に窘められても、あまり反省した様子は無かった。 「そうね、可愛いわね」 そっと後片付けを始めながら鳳翔は柔らかく笑った。 「でも余程恥ずかしかったのね、クッキー忘れてるわ。あの娘」 鳳翔の一言で軽空母姉妹は顔を見合わせて同じように幸せな笑いを浮かべた。 3-2-A 「さて、終わった。片づけたら飯でも行こうか」 「はい。提督」 穏やかに微笑んだ太眉の艦娘が机上の帳簿や資料をまとめ始める。 事務机の上には戦闘詳報や沖ノ島海域の航空写真、敵情などのファイルが開かれている。 休日とはいえ現在、艦隊は作戦行動中である。 艦隊が休んでいる間、つまりは出撃していない間にこそ編成や資源割り当ての準備を 済ませておかなければならない。 事務方が忙しいのは昔から変わらない。 『海軍軍人たるもの地上勤務など希望してはいけない』 と西村提督は言っていたが書類を決済できる”提督”はこの鎮守府には一人しかいない。 書類が山になるのも仕方がない。 特に沖ノ島海域の攻略が始まってから遠征艦隊の編成と入渠作業で提督の手はいっぱいである。 あれやこれやと最近は深夜まで作業が続く事も多い。 今日のところは朝から手伝いに来ていた妙高のおかげもあって作業は順調に片付いていた。 「すまないな、朝から。おかげで助かった」 「いえ、お役に立ててうれしいです」 妙高はてきぱきと資料類を片していたが、ふと手を止め提督を見つめた。 何のことはない平凡な顔立ちの男。 特に上着を脱ぎノータイのシャツというラフな格好の今は特にそう感じる。 だが潮風と爆炎に鍛えられた心と体がその中に隠れている事を妙高は知っていた。 潮気とでも言うべきか。 艦娘達が共通して愛する海軍の男に纏われる独特の色気。 かつて彼女達を指揮していた艦長、司令といった男たちの持っていた香り。 幾度も共に死線を越えるうちに確実にこの男はその香りを強く纏い始めている。 幾度も共に死線を越えるうちに妙高はこの男に特別な感情を持ち始めていた。 はしたないと思いながらも自ら望んで、戦闘の火照りを鎮めるために体を重ねた夜も 多々あった。 しかし、最近はとんとご無沙汰である。 彼が深夜まで書類と格闘していることは鎮守府の誰もが知っている。 彼女自身や那智、愛宕や不知火といった事務処理に比較的長けた艦娘達が仕事を手伝うのが 慣例だ。 そしてその後、寝室まで共にしてしまう艦娘も多い。 妙高は提督の体を慮ってそのまま部屋を辞するようにしている。。 特に二人の妹は完全勝利目前で撤退した時など戦闘の穴を埋めるかのように提督の体を求めた。 秘書艦の仕事を終えて執務室を退出する自分と入れ違いに扉に突撃する足柄や、冷静さを 装いながら手と足が同時に出ている那智とすれ違った事も一度や二度では無い。 自分の慎ましさが恨めしい。 だが。 休日。仕事終了。二人きりの部屋。 ライバル?の艦娘達はほとんど鎮守府を出払っているか疲労で休養中だ。 最も警戒すべき足柄と那智の二人は現在入渠中。 13万5千馬力を誇る機関がうなりを上げ20.3サンチ主砲に仰角がかかる。 天佑ワレニアリ。全軍突撃セヨ。 もじもじと顔を赤らめていた妙高だが意を決したように提督に声をかける。 「あの提督……エッチしましょう!」 3-2-B 「…………へっ?」 唐突すぎる妙高の申し出に提督の時間が止まる。 顔を真っ赤にした妙高は両手をグーに握りしめ提督を見つめる。 「最近、ご無沙汰ですしっ……いえ、はしたないのは重々承知ですがっ」 「そ、そうだね」 ずいと顔を近づけてきた妙高に気圧されて提督が椅子の上でのけぞる。 「ダメ、ですか……」 八の字になった眉毛の下で上目遣いの瞳が潤む。 ゆっくりと頭を振って提督は真剣なまなざしを返した。 「ダメじゃないよ」 ホッとした微笑が提督の視界で大きくなる。 白手袋に包まれた彼女の細い指が優しく顔を包んだ。 熱い唇が彼のそれに重なる。 「…んっ……ちゅっ、ちゅちゅっ……んぁはぁぅ」 そっと妙高の肩に提督の手が置かれる。 そのまま男の胸に艦娘は体を預ける。 心がジンジンとしびれ動悸が高まる。 同時に羞恥心が薄れ、本能が頭をもたげていく。 ほどなく妙高はするりと提督の口内に舌を割り込ませる。 「ちゅっ……んん、ふ……んぷっちゅぅ」 前歯の裏側をくすぐり舌先と舌先を重ねる。 観念したかのように提督の舌が呼応してチロチロと舌先を絡めてくる。 「んぶぅっ……んっんっんっんっ……ちゅぷぅるぅぅ…んぅっ」 次第に大胆になっていく提督の舌の動きに合わせるように妙高はより深く舌を差し入れる。 提督の舌が妙高の舌を完全に捉え完全に絡み合う。 「れろぉ、ちゅぷっ……んぐ、ぅうううんっ……んふぅぅぅぅぅ、んぁふぅぅんっ」 反対に差し入れられた提督の舌が妙高の口内を優しく撫で始める。 舌の裏を、歯茎を、奥歯をくすぐられて妙高の鼻から甘い息が漏れる。 口内に侵入する男の唾液を夢中で舌ですくい集め嚥下する。 胃に落ちていく熱い体液が体の内から抱きしめられる錯覚に妙高を包む。 そのままそっと提督の股間に手が触れる。 硬く熱いものが脈打ってるのがわかる。 ジュンと股間が潤い熱い愛液がショーツを濡らす。 動悸はさらに高まり、思わずごくりと唾を飲み込んでしまう。 -ああ、提督のおちんちん、もうこんなになってる…欲しい。 メスの本能をさらけ出し始めている自分が恥ずかしい。 しかし、愛欲に蕩け始めた脳はそれを甘受し、あまつさえその後の行動を催促する。 「ぷはぁ、はぁはぁ……提督、これ大きくなってます」 妙に手慣れた手つきでジッパーを下げ陰茎を露出させる。 既に力を漲らせていた怒張が天を突くように飛び出した。 「え?、ちょっと、妙高?」 「お疲れでしょうから、私がお口で……はむ、んふぅ」 提督が止める間もなく妙高は提督のペニスにしゃぶりついた。 「ちゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅ、んんん……んふぅ、ちゅぷ……じゅるるる」 長いストロークでペニスに引き延ばされるかのように唇が歪む。 じゅぷじゅぷじゅぷ、と淫靡な水音が規則的に室内に響く。 提督が快楽に負け腰を椅子に落として妙高に身も心も委ねたその時。 執務室のドアから遠慮がちなノック音が聞こえた。 「あの、は、羽黒です。提督、いらっしゃいますか?」
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723 :名無しの紳士提督:2015/08/30(日) 02 12 31 ID JoLnJDN. 鎮守府慰安労働を書いていた者です 完全に迷走しているため、ひとまず速吸に手伝ってもらって一区切りつけます 微エロ?だと思います、本番はないのでその辺りはご注意を 一応、本編というか一番メインの世界線ということでお願いします 724 :鎮守府慰安労働 速吸編:2015/08/30(日) 02 13 02 ID JoLnJDN. 新たな特別侵攻作戦が終了してから数日が経った。 例のごとく、東が所属している鎮守府は全鎮守府中最速で作戦海域を突破している。 提督の戦場を見極める眼力と、異常なまでに高い艦娘たちの練度がそれを可能にしたのだ。 そこまで考えたところで、思わず東は照れ臭いような恥ずかしさを覚える。 「……間宮さんの補給が有限だからって、何で俺があんなことを」 「仕方ないじゃないですか。提督はそれが一番だと思ったわけですから」 「独り言を拾うのは感心しないぞ、明石」 「ふふ、工廠は私の庭ですゆえに」 独りごちた言葉を明石に拾われ、バツが悪そうに東は頭をかくしかなかった。 練度の高さ、提督の眼力だけでは前線を切り開くまでには至らない。 艦娘の繊維を高く保つのも侵攻作戦を成功させうる、一つの妙だった。 しかし間宮の補給は貴重であり、乱用できるものではないのも事実。 提督は補給源となりうる存在として、慰安夫“東”に目を付けた。 理由は調査中とのことだが、艦娘の戦意を高めるには東の存在は艦娘に不可欠である。 そう考えた提督は、戦意のために東を艦娘たちに貸し出す方法を思いついたのだ。 「特別侵攻作戦の時には誰しも忙しくなりますが、東さんはベクトル違いですしね」 「よしてくれ。色々と大変だったんだ」 「引く手あまたでしたからね。いや、モテる男は辛いですね~」 「明石!」 「冗談ですよ、冗談」 からかいながら明石は踵を返し、工廠の中へと戻っていく。 気恥ずかしいのも無理はない。 東は文字通り慰安夫のように、戦場に赴く艦娘たちと男と女の関係を繰り返していた。 全部が全部そうではないが、中には複数人を同時に相手にするケースもある。 街に出て遊ぶこともあったが、多くは“そういうこと”だったといえる。 ふと空を見上げれば星が顔を出している。 「帰るかな。明石ー、お前はいつまで工廠にいるんだー?」 「キリがついたら帰りまーす! お先にどうぞー!」 「それでキリよく帰ってきたことないが、まぁいいか」 それだけ言い残し、東は工廠を離れて自分の部屋へと戻っていく。 特別侵攻作戦に一役買ったということで、今では割り当てられた部屋も変わった。 以前は軽巡洋艦寮の近くだったが、今では重巡洋艦の寮の近くになっている。 部屋の内装もよくなり、ちょっとした軍の尉官にも匹敵するほど。 無論、提督が残してきた戦果による後押しも大きかった。 「東、今日はもうお休みかい?」 「あぁ、提督。お疲れ様です」 そこへ提督が通りかかった。 背丈だけなら軽巡洋艦の艦娘たちと変わらないくらいだが、提督としての能力は絶大。 提督と言う名を持つ者の中では一人として知らぬ者はいない。 しかしそんな面影はどこにもなく、駆逐艦が着るような可愛らしい寝巻に身を包んでいる。 欠伸まじりに歩いてくる姿からは疲れも感じられた。 「随分お疲れのようですね」 「まーねー。新人の子の部屋の手配で忙しかったからさ~」 「そういえばまだ部屋は用意できてないんでしたっけ」 「そーよ。速吸は羽黒がいないから、ひとまず妙高型の部屋で今夜はお休みさ。リペッチオは潜水艦娘の部屋、それで照月は秋月の部屋などなどってね」 「速吸は妙高型の部屋……ん?」 瞬間、東の脳裏にはつい先ほど見送った遠征部隊の姿がよみがえった。 今夜の遠征は東京急行、鼠輸送任務、通商破壊作戦の三方面へと向かっている。 通商破壊作戦に赴いた重巡洋艦は羽黒と妙高、足柄と那智しかいなかった。 悪寒にも似た嫌な予感が東の背筋に走り、同時にその足は妙高型の部屋に向かう。 足柄と那智が何か悪さをする、などとは東も考えていたわけではなかった。 ただ新人が来るというイベントがあれば、二人がそれを肴に酒を飲もうとすることも考えられる。 そうなれば同室の速吸が酒を回される可能性も決してないとは考えられない。 ましてや速吸はまだ来て間もなく、二人の誘いを断れるとは思えなかった。 重巡洋艦の寮に駆け入り、階段を上がって薄暗い廊下に差し掛かる。 そこで壁にもたれながら、うつむき加減に座っている速吸の姿が目に飛び込んできた。 「速吸!? 大丈夫か!」 「あ、東さん。どうしました、こんな時間に」 「それはこっちのセリフだ。大丈夫か? 酒飲まされたりしてないか?」 「大丈夫です。私は」 速吸がそこで言葉を切り、視線を後方に向けた意図を東は一瞬で読み取った。 私は、ということはおそらく既に足柄と那智辺りが酒盛りを始めているのだろう。 ほのかに漂ってくる酒気に、思わず呆れたような笑みもこぼれるというもの。 侵攻作戦が終わってからというもの、鎮守府全体がお祭り騒ぎである。 速吸だけではなく、時を同じくして参戦した艦娘たちも歓迎会に駆り出されていた。 中には自分たちが騒ぎたいだけのように思える者たちもいないわけではない。 「ふふふ、みなさんいい人たちですよ。毎晩のことですけど、楽しそうです」 「そうだな……ってあれ、もしかして声に出てたか?」 「顔がそう言ってます」 スカートを叩きながら立ち上がる速吸の言葉に、東も渋い顔をするしかない。 瞬間、速吸の視線がどこか控えめに見上げてくるのを東は感じた。 元々身長差がそうあるわけではないが、どこか遠慮がちな視線である。 何か頼み事でもあるのだろうか。 「何かあったか? 俺でよければ聞くぞ?」 「あ、いえ、私は別に、何にも……」 「遠慮するな。伊達に慰安夫してるわけじゃないんだぜ?」 「じゃ、じゃあ、その、ひとつだけ、その、ひとつだけ!」 目は口程に物を言うというが、速吸の顔はどんどん赤くなっていく。 そんな状態で言いたいことが分からないほど、東は鈍いわけではない。 ましてや慰安夫として働いていれば、そういうことだろうという察しはつく。 顔から火が出そうなほど真っ赤になり、ようやく速吸は口を開いた。 「東さん! あの、その、ちゅーってしたことありますか!?」 「……酒は飲まされていないが、変なことは吹き込まれたようだな」 「だ、だってちゅーですよ!? 男性と女性との、ちゅ、ちゅー!」 「おう、恥ずかしいのは分かったから連呼するんじゃない。な?」 慌てふためく速吸をなだめながら、東自身も抑えきれない感覚を覚えていた。 口にするのも恥ずかしい単語を口にしながら、顔を真っ赤にしている少女。 普段控えめにもかかわらず、距離がなくなりそうなほど詰め寄ってくる少女。 どこかしら新鮮さすら覚えてはいたが、そうも言っていられない。 二人がいる場所は重巡洋艦の寮の廊下のど真ん中だった。 それも最寄りの部屋は足柄がいる妙高型の部屋、おまけに酔っ払いが二人と来ている。 状況の悪さは折り紙付きで、このまま騒がせておくわけにはいかなかった。 「速吸。落ち着いて俺の話を聞け、というか頼むから落ち着いて聞いてくれ」 「聞きます! じゃあ聞きますから――」 「聞きますから、何だ?」 聞き返すが早いか、身を屈めた速吸が東の腕をすり抜けるようにしてもぐりこむ。 そして顔は真っ赤な顔で、今まで以上に恥ずかしそうな表情で身を跳ねあげながら言い放った。 「私とちゅー、してください」 「本当に酒は入ってないんだろうな?」 「入ってません! ちゅーしてくれたら、落ち着きますからぁ……」 「そんな目で見つめるんじゃない、全く」 切なげな声、縋り付くような視線を速吸に送られては東も無下には断れなかった。 こなれたように口にしている自分に、嫌気が差さずにはいられない。 例え仕事の積み重ねであったとしても、軽々しく行ってはいけない行為だと思っていた。 だが目の前で子犬のようにせがんでくる速吸を前にしては、そんな思いも無意味。 「一回だけだからな?」 「は、はい! じゃ、じゃあ! よろしくお願いします!」 速吸が満面の笑みを見せた瞬間、東は身体の自由が利かなくなったのを感じた。 同時に速吸の黒い瞳が覗きこめそうなほど顔が近付く。 身を引くことすら適わず、それどころか引き寄せられるのすら感じた。 正面から脇を抱きかかえられていることに気が付いたのは、その後のことである。 「東さん……」 「速吸。胸が当たってるんだが、その辺りは大丈夫か?」 「いいです、いいですから、はい、んっ……」 「お、おう」 重巡洋艦というほど大きくはなく、軽巡洋艦というほど小さくもない。 ただ今までにないジャージ越しに押し付けられるという、速吸だけの特徴的な感覚。 慰安夫として長く働いてきたものの、初めての感覚は戸惑いつつも心地良い。 抱きかかえられ、下がれないというマイナスな状態が扇情的に東を駆り立てていた。 慰安夫として鎮守府で働いてきた東は、今までに何人もの艦娘と関係を持っている。 どれも戦意高揚のためであり、事実、艦娘たちが上げてきた功績はかなりのものがあった。 好意を持って接してくれた者たちも多かったが、どこか戦意のためにという艦娘もゼロではない。 東としてもそういうものだと思っていたし、悪い事とは思ってもいなかった。 しかし今、目の前で唇を重ねている速吸はそのどちらにも分類できない。 「んっ、ふぁ、あずま、ひゃん、ひもひいい、れふぅ」 東を抱きかかえ、必死に唇を求めてくる速吸の姿は一生懸命の一言。 決して上手いわけではないのに、次々と唇を求める姿はなんとも愛らしい。 その姿に男として惹かれないわけがなく、東の一物は屹立しかけていた。 「さてと、一回って約束だったな。これで終わりだ」 「ふぇ? あ、そんなぁ、もう少し、もう少しだけお願いします」 「ダメだ。どうしてもっていうなら慰安夫としての俺に依頼するんだな」 「え、あ、う~……」 むくれたように声をこぼす速吸を背に、東は出来る限り余裕を振りまいてその場を去った。 否、もはや余裕など欠片ほどしかない。 声をこぼした速吸の唇がぬめり気を帯び、あやしく月明かりに映えていたのを東は見ていた。 あと数秒遅ければ求める側が逆転しかけていたかもしれないと考えると、やるせない気分になる。 しかし重巡洋艦の寮の廊下である以上、続けるにはあまりにもリスクが高すぎる。 東は自分の選択が間違っていないことを確信しながら、自分の部屋に戻るのだった。 729 :鎮守府慰安労働 速吸編:2015/08/30(日) 02 15 58 ID JoLnJDN. 以上です。 次の話で鎮守府慰安労働には一区切りつけます 散々迷走してしまったので、では
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加古「ふぁ~眠い」 加古「え?」 古鷹「加古。どうしたの?」 加古「ちょ・・・痛い痛い」 古鷹「加古!かこぉぉぉぉ」 加古(昔から調子こいては、古鷹に怒られていたっけなぁ・・・・) ------鎮守府にて------ 古鷹「・・・・。作戦完了です・・・・」 提督「・・・・・・。」 古鷹「この作戦で、加古は、加古は」 提督「作戦完了後の帰投中背後から突然深海棲艦にか」 古鷹「はい。申し訳ありませんでした。私が、旗艦の私が気を抜いたばっかりに」 提督「もういい」 古鷹「私が、私が加古を、私が加古を・・・・」 提督「違う、古鷹のせいじゃない。」 古鷹「でも、戦闘海域での指揮は私が」 提督「だから、元はと言えば連戦で疲れてる君たちに無理やり出撃命令を出した俺が」 提督「緊急補修の妖精さんを付けていなかった俺が悪い。古鷹は悪くない。」 古鷹「で・・・・でも」 提督「無理しないで、泣きたいときは泣けばいい。ここには俺と古鷹しかいない」 古鷹「うん・・・。いや、嫌だよ。寂しいよ。なんで、なんで・・・・。」 ----その日の夜------ 古鷹「提督・・・。失礼します」 提督「どうした?やっぱり眠れない?」 古鷹「はい。なんか急に一人ぼっちになって、その何ていうか」 古鷹「あ、あの提督。今日は一緒に寝てもらえませんか?」 提督「ああ、俺でよければ」 古鷹「じゃぁ、お言葉に甘えて・・・・」 その後俺と古鷹はあまり大きいとは言い難いベットの上で一緒に寝た 時折震える古鷹を抱きしめてあげる。今の俺にはそれしかできないのであろう そして、日付がかわり1時間ほど経ったぐらいだろうか 古鷹「あの、提督。」 提督「ん?どうした?」 古鷹「こんなに甘えてしまってすみません。」 提督「仕方ないよ。誰だって、寂しいときは・・・」 古鷹「こめんなさい。」 提督「古鷹?今何を」 古鷹「こんな形ですけど、ファーストキス。提督にあげちゃいました」 提督「古鷹。もっと自分をだな」 古鷹「不謹慎かもしれないですけど、こうやって提督に包まれて、幸せ。」 古鷹「提督に包まれてると私、やっぱり提督が大好きだって。それで・・・・」 提督「俺だって、古鷹の事は好きだよ。本当は前線になんか出したくない」 古鷹「提督。私の、この寂しい気持ち、提督で上書きできるかな?」 提督「俺には、寂しさを紛らわせる事ができるかわからないけど、けど古鷹が望むなら」 古鷹「・・・・。提督、お願い・・・・。抱いてください」 古鷹の突然の“お願い”に戸惑いながら、古鷹の服を脱がしていく 薄ら明かりの中で露わになった彼女の肌は想像以上に美しく、今にも理性が吹き飛びそうだった 俺は、古鷹の敏感なところを探すように、まず乳首を優しく抓る 古鷹「あっ、提督・・。はっ」 少しずつ息遣いが荒くなる古鷹をみつつ、片手を下半身に伸ばす まだ誰も触れたことのないであろう彼女の性器に少しずつ指を入れる 甘い声を上げ、そこからは大量の蜜があふれてくる。 古鷹「提督・・・。切ないよ」 もう、限界だった。 俺は古鷹の上になると、自分自身を古鷹に入れて行った。 古鷹「ッ・・・・・・」 古鷹が苦しそうな表情を見せる、我に返り古鷹と結合している部分をみると そこには古鷹が今まで純潔であった証があった 提督「古鷹・・。ごめん、大丈夫か?」 古鷹の痛みに耐える姿をみて、自分自身を一旦引き抜こうと少しずつ腰を上げて行った 古鷹「提督、慌てないで・・・・。大丈夫、だから」 古鷹「痛くても、今が幸せだから」 弱弱しい笑顔を見せる彼女に優しくキスをした 傍から見れば異常な関係かもしれない つい数時間前に妹を失ったばかりだというのに、 これじゃ、まるで傷をなめあうみたいじゃないか とどこかで冷静な自分がささやく しかし、そんなことはどうでも良かった。 自分との行為で古鷹の傷が少しでも癒えるのであれば 俺は、後ろ指をさされても気にしない。むしろ古鷹を守りきる自信さえある 古鷹が落ち着いたところで、再び腰を動かす 少しづつではあるが、古鷹の声にも変化が出てきた 古鷹「あっ、あ、提督、提督っ!」 古鷹の甘い声が大きくなっていくたび、腰の動きも大きく、そして早くなっていく ギシギシというリズミカルな音とそれに伴う性器と性器の結合する水の音 そして古鷹の甘い声 もう限界だった 古鷹「提督・・・。下さい。中に、中に下さい!」 その声を合図に、古鷹の中に精を放った それから、俺と古鷹は鎮守府一のバカップルになった。 -----数か月後------ 古鷹「あなた。今動いた」 提督「ん、そうか」 古鷹「この子の名前どうしようか」 提督「古鷹に任せるよ」 古鷹「じゃぁ・・・・・」 そして、つけた名前は・・・・・。 古鷹「もう、絶対に気を抜かない」 提督「あぁ、俺もだ。何があってもこの子と古鷹を守り抜くから」 古鷹(ごめんね、加古。私だけ幸せになって。だけど、この子は守るから。) 娘「うえぇぇぇぇん」 古鷹「お腹すいたの?じゃぁミルクを飲みましょうね」 古鷹「加古。私の大事な娘。」
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55 :名無しの紳士提督:2015/10/25(日) 08 50 02 ID 454W76Xo 非エロですけど投下します 今回も独自設定要素が出まくっている感じです なおこの話はフィクションです 実在の人物や出来事とは一切関係ありません 56 :思い出の中のもの、今ここにあるもの:2015/10/25(日) 08 51 26 ID 454W76Xo 「今日は何の日ー?」 子日の元気な声が響く。摩耶も仕事のかたわら子日に答えていた。 「矢矧と黒潮の誕生日だな。それと軽巡洋艦矢矧と駆逐艦黒潮の進水日だ」 「艦娘はやっぱり運命にひかれた存在なんだな」 「あっ、提督だー」 「提督!?お前、出張じゃなかったのか?」 「いやあ、ちょっと早く終わったからな。摩耶、私の代わりにご苦労さん」 「あ、気にすんなって」 「子日も頑張ったよ」 「ああ、子日もご苦労さん」 「やったー、褒められたー」 「しっかし、艦娘ってそういう運命なのかねえ。 アタシも重巡洋艦摩耶の進水日と同じく11月8日か誕生日だしさ」 「誕生日と進水日が一緒だったらもしかしたら沈んだ日と…」 「子日!」 「あっ……ごめんなさい……」 俺は不安な言葉を口走りそうになった子日を制した。 「……提督、今日の仕事はアタシ達に任せてよ」 「いいのか?」 「心配すんなって。子日達も頑張っているからさ。 だからさ……久しぶりにアイツに……鳥海に会いに行きなっ」 「ああ…わかったよ」 俺は部屋を出て再び外へ出かけようとした。 「提督、どこへ行くの?」 隼鷹が俺を呼び止めた。 「ちょっと墓参りに行って、ついでに実家にも寄ろうと思ってな」 「だったらこのお酒を持ってって」 「隼鷹…これは高い酒だろ…」 「いいよ。前に提督に迷惑かけちゃったから、そのお詫びだよ」 「そうか」 俺は隼鷹の厚意を素直に受け取った。 10月25日は俺の大切な人がこの世を去った日だ。 その人がいなければ、今俺はここにいなかっただろう。 俺は大切なその人に何が出来たのだろうか。 むしろその人を傷つけてしまったことしかなかったのではないだろうか。 もしあの時ああしていれば………… そんな後悔が俺の心の中に蘇る。 根拠なんて何もなかったけど。そう思った瞬間はあった。 だけど、何もせずにいつもと変わらぬ日常を過ごしていた。 その後に深い悲しみが待っているなんて思うことはなく………… もし…あの時……どこかで訴えていた何かに応えていたのなら…… 自分の直感。それを信じて行動していれば 取り返しのつかない事に後悔する事もなかったかもしれない。 動かなかった事が俺を幸せから遠ざけ、 そして多くのものが俺の手の届かないところへ行ってしまった。 ……今となっては何の意味もない後悔だ。 俺が今、成すべき事は、今俺をここにいさせてくれた過去の人達を想い、 感謝し、そして今を生き、未来へと歩いて行く事…… 俺は様々な想いを胸に抱きながら、大切な人の墓参りへと出かけた。 大切だった人が眠る地に着いた。ここは山の方とはいえ昔と全然変わってないな。 いや、少し賑やかになったかな。海沿いの街は結構変わっていたから。 俺が小さい頃によく遊びに行っていた所は海に接する街だった。 海に接している事なんて全く意識していなかったけど、沢山の人達がいた事は覚えている。 だが今は街から活気が消えていた。明らかに人が少なくなっていた。 駅前の商店街は元々さびれつつあったが、深海棲艦の出没以降それが更に加速した。 深海棲艦を恐れた人々は内地に移り住み、様々な商業施設を作っていった。 昔からあった街への通り道が新しい街となり、昔からあった街は少しずつ街ではなくなっていく…… 街も、通り道も、どちらもすっかり変わってしまった。 今街にいるのは昔から代々受け継いできたものを守り続ける年寄りがほとんどだ。 大きな駅も、田舎から大都会へと乗り継ぐ為だけの場所となっていた。 ………っとと、ちょっと物思いに耽ってしまった。墓参りに来たというのに全く関係ない事を…… 俺は大切だった人が眠るお墓へ向かった。 そして、そこにいた俺の大切な人に声をかけた…… 「え……しれ…あ…あなた!?」 そこにいた彼女―伝説の重巡洋艦鳥海の力を使える艦娘であり、俺の愛する妻―は驚いていた。 「出張が早く終わったからな。摩耶の厚意もあってここへ来たんだ。 ったく……久しぶりに会ったらどうだとか言うが精々一週間程度じゃないか」 「一週間でも寂しかったですよ……」 「すまない……」 俺が出張に行く時に鳥海と離れ離れになったのにはわけがある。 俺達には子供がいたが、その子は艦娘の子供だった為色々と調査の対象となっていた。 現在艦娘の子供というものは俺達の子供以外にはいない。 艦娘の活動行為が胎児に悪影響を及ぼさないかという心配もあったし、 艦娘として一度は力を行使した時点で普通の人間とはほんの少し、 だけど僅かでしかない程度に遺伝子に変質があったらしい為 艦娘から生まれた子供がどんな存在になるかという不安も広がっていた。 だから俺達の子供を調査する事によって、問題なければそれでよし、 問題あってもハッキリと諦めはつける。 だから他の艦娘の為に俺達は証明をしようとした。 そして小さな子供を長時間母親と離すわけにもいかなかった為、 俺は出張に鳥海を連れて行かなかった。 「お墓の掃除も君がしてくれたんだね」 「はい」 「ありがとう」 俺は感謝した。 「俺の父方の祖母は13年前の今日亡くなった。 その前日、いつもは行こうとは思っていなかった病院にお見舞いに行こうかとふと思った。 だけどお見舞いには行かなかった。そして……」 「…………」 「もしあの時行っていれば……ボケてしまって俺の事がわからなくなっていたとしても、せめて…………」 「……重巡洋艦鳥海も71年前の今日沈みました。でも私は沈みません…死にません。 私が重巡洋艦鳥海の進水日と同じ4月5日に生まれた艦娘だとしても!」 「ああ、そういう運命だけはお断りだな。 俺の大切な人の一人である父親は重巡洋艦鳥海の進水した4月5日に生まれ、 俺の祖母は重巡洋艦鳥海が沈んだ10月25日に亡くなった。 こんな事を言うのは変かもしれないけど… 『鳥海』は俺の大切な人と何かしら繋がりがあるから、 鳥海の艦娘である君も大切な人と思ったかもしれないって……」 「でも私を好きになった最初の理由は私があなたのお母様や初恋の人と似ていたからでしょう」 そう言われると少しすまない気持ちになってくる。 似ているといっても、母親は眼鏡をかけていて、初恋の人も眼鏡をかけていて、 結局安心出来るものを外見から求めていただけなのかと思ってしまう。 「でも…でも、だからこそあなたが私を選んでくれたのだと思います。 あなたの心の中に刻まれた、あなたが安らげる女性像、それを持つ私を…… だからあの人達に感謝しなければいけませんね。 あの人達がいなかったら今こうして幸せでなかったかもしれないから……」 「俺にとってもそうだな。クレオパトラの顔付きが少し違っていたらって話を聞くけど、 もし俺の大切な女性達が眼鏡をかけてなかったら、また違った運命だったかもしれないな」 「運命ってわかりませんね」 「…………考えてみれば俺達が今こうしていられるのも、 俺達に直接関わった人達だけじゃなく、 俺達が生まれる前からずっと頑張っていた人達のおかげかもしれない。 あの戦争では、散っていった人達も、生き残った人達も、 みんな大切な人を守る為、幸せの為に頑張っていたはずだ。 それがたとえ、どんな形だろうとな……」 「ええ……」 彼女も頷く。彼女が知った重巡洋艦鳥海の記憶から 俺の想像が少なくとも大きくは間違っていないと裏付けたからだろう。 「それに戦場で戦っていた人だけでなく、日本に残された人達も 戦場で戦っている人達がいつか帰ってくる場所を守る為に生きていたはずだ。 その人達か頑張って生きて、そして生き残り、 死んでいった人達の想いを継ぎ、帰ってきた人達と共に再び歩き出していき、 戦いで全てを壊されたこの国を復興させていった。 俺達が今ここにいる事をその人達に感謝しなければならない」 俺は墓に改めてお参りをした。戦争を生きた人達、 そして、今まで命を繋げてくれた全ての人達への感謝の気持ちを伝える為に…… ブルルルッ!! マナーモードにしっぱなしだった電話が鳴った。 慌てて電話に出た俺の耳に摩耶達の声が響いた。 「提督、大変だ!深海棲艦の大群が港街を狙って進軍して来ている」 「深海棲艦の大群が!?」 「今は何とか沖の方でせき止めているけど…」 「このままだと突破されちゃいそう!」 「落ち着け子日!そう簡単に突破されはしないだろうけど、 もしもの事があったら大変だ。 鳥海と一緒にいるなら今すぐに帰ってきてくれ!」 「ああ、今鳥海と一緒にいるからすぐに戻る!」 そう言って俺は電話を切った。 「…ええ、タクシーをお願い」 俺が電話している最中に鳥海はタクシーを呼んでいた。 「タクシーを呼んでおいたわ。10分くらいかかるみたいだけど…」 「そうか…」 「ところでこのお酒は…」 俺は隼鷹からもらった酒の事を忘れていた。 父親への土産に持っていこうと思ったが、そんな暇はもうなかった。 「仕方ない、親戚の家に預けて来る。タクシーが来る前に戻れるはずだ」 俺は全力疾走した。 「今帰ったぞ!」 「鳥海、ただいま戻りました!」 「二人とも、戻って来てくれたんだね!」 子日が明るく迎えてくれた。 「ごめん提督。アタシがもうちょっとしっかりしていたら…」 「気にするな。人々の為に戦うのが俺の…俺達の役目だ。それより状況は?」 「なんとか均衡状態だよ」 「ありがとう、摩耶」 「鳥海……迷惑かけてごめんよ」 「いいのよ。それよりも出撃準備は」 「出来てる!」 「それじゃ行くわよ!摩耶と私の二人が揃えば、勝てない相手なんていないわ!」 「ああ!」 先程まで落ち込み気味だった摩耶が戦いで挽回出来るからか元気を取り戻して答え、出撃した。 「提督、子日達がもっとちゃんとしていたら提督達の休日を潰さなかったかも…」 「無理してくれなくてよかったよ。俺達の都合の為に犠牲者が出たら、 今まで命を繋いできてくれた全ての人達に申し訳が立たないからな」 「????」 「説明は後だ!」 「はいっ!」 俺達が今ここにいるのは、沢山の人達との出会いと別れがあったからだ。 だけどそれだけじゃない。自分も、他の人達も、 みんな誰かから命のバトンと様々な想いを受け継いできた。 そして俺達に繋いでくれた人達も、また別の誰かから受け継いでいる。 過去の人達が頑張って生き続けていたからこそ今の俺達も生き続けている。 そして俺達も生き続け、過去の人達が次の世帯へ命のバトンと想いを渡したように、 次の時代を生きる若い者達に命のバトンと想いを渡そう。 俺達は守り続ける。命のバトンを落とす事なく受け渡せる世界を。 ―終わり― +後書き 62 :名無しの紳士提督:2015/10/25(日) 09 05 40 ID 454W76Xo 以上です。今回はちょっといい話的なものを書くつもりで書きました 書いている時に改めて過去作を読んでいたら 矛盾してしまう場面もあったのでちょっと書き直しました シリーズものは整合性のために見直すのも大切ですね ちなみに俺はここまで立派な人間に離れてません もっと立派な人間になりたいです…… これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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168 名前:2-683 霞[sage] 投稿日:2015/02/22(日) 07 57 22 ID G9FxYqM2 今の時間は、どうなっているだろう。 どうでもいいか。 深い夜である事は分かる。執務を再開できる気分ではない。 今の自分は砂嵐が吹き荒れる心情にあったからだ。 蹴飛ばしたい衝動を抑え、執務室の扉を開けた。 秘書艦霞はずっと待っていたのか否か私をぞんざいに出迎えた。 霞は普段通りの気を緩めない顔でいるが、私は普段通りの精神状態ではないのだ。 今は霞と口を利く気分ではないのだが、霞からすればそれは関係のない事だろう。 大本営に呼び出された今日の事柄を霞に尋ねられ、私は全てを語った。 この鎮守府が設立されてから目立った戦果がない事を糾弾された事。 艦の犠牲を躊躇しない他の鎮守府を引き合いに出された事。 大本営のその身勝手な態度に、自分は首が飛びかねない程の危ない態度で応戦した事。 それら全てを聞き終えた霞は、私を見上げて歯向かって来た。 「はあ? それで逆切れ? だらしないったら!」 逆切れ? だらしない? 霞の怒号が疲れた身に染みるが、私は霞の言葉を頭で反芻した。 霞の辛辣な言葉は聞き慣れていると自負している筈だが、気が立っている所為なのか稚拙に口が動く。 上の価値観が狂っているから自分はそれを然るべき在り方へ導こうとしただけだ。 それなのに自分が間違っていると言うのか? 霞はあんな事を言う上がおかしいとは思わんのか? 霞は私に、そんな上の人間の犬になれとでも言いたいのか!? 自分は自然と声を荒げていった。 しかし霞は一蹴するように鼻で嘆息した。 「上の人間が発言力のない司令官の戯言を聞くと思ったの? それに、これで左遷でもされたらやり方も何もなくなるでしょ。 そんなことも考えられないんじゃクズ司令官は犬同然よ。馬っ鹿みたい」 ……何だと。 もう駄目だ。我慢ならん。 自分の周りには味方がいないようだ。 秘書艦にさえ自分を否定されたこの時、蔓延っていた黒い感情は爆発してしまった。 全く、上官に向ける言葉とは思えない。霞にはお仕置きと調教が必要のようだ。 霞を蹂躙してやりたい、そのような生意気な口を二度と叩けないようにしてやりたい。 この泥々とした感情を抑えられそうにない。 「っな!」 霞の手をひったくるようにして薄暗い自分の私室へ連れ込む。 邪魔者が入らないよう後ろ手に鍵をかけると、霞はその目に警戒心を色濃く表した。 霞には無意味かもしれないが、目をなるべく鋭くさせて威圧するように見下ろす。 抵抗出来ないよう霞の両腕を痣が残らんばかりに掴んだまま追い詰め、やがて寝具へ押し倒した。 「私に当たる気?」 霞は素行を改めない。 予想は出来ていたが、全く威圧出来ていないようだ。 もしくはこれからされる事が分かっていないのかもしれない。 自分はボタンが破損する事も躊躇わず霞の上部装甲を力尽くで開いた。 その中にある青緑を基調とした装甲をたくし上げると、慎ましいタンクが二つ露わになった。 それの片方を右手でむんずと掴む。 「っ……」 予想に反して霞は大声を上げるどころか唇を硬く閉ざした。 しかし仮に大声を上げたところでここは奥まった提督の私室だし、 ここを出た執務室の壁は防音効果もあるので誰にも聞こえる事はなかろう。 通りすがりの者に聞こえやしないか気を割く必要もない。 目前の霞に集中する。 自分の右手にすっぽり収まる程度の慎ましいタンクは張りが強いのか少々硬めだ。 だが、硬かろうが柔らかろうが自分がこうして昂る運命は変わらなかっただろう。 見た目は人間の少女そのままなのだ。背徳感を煽られる。 目を尖らせる霞の意思は"屈してなるものか"と言う歴戦の勇士のものだろうか。 そんな態度を取るならば、此方としても更に張り合いがあっていいと言うものだ。 空いている左手を口元に持ってきて指を舐ると、それを霞の下部装甲の、またその奥の装甲に潜らせる。 ぴったりと閉ざされている霞の艦内へ、舐った中指をぐりぐりとねじ込む。 「いっ……!」 当然だが霞の艦内は一切濡れていない。 それを見越して指をあらかじめ舐ったのだが、あれだけでは摩擦率の大幅な改善は見込めない。 別段太くない自分の指を一本入れただけなのだが、霞の艦内はとても狭かった。 私の中指を異物と察知して懸命に押し出そうとしてくる。 私はそれに抗うように小さいながらも指を前後に動かす。 この時点で霞の両手は私の束縛から解放され自由になっているのだが、 何故か霞は寝具にしがみついて耐えるだけだった。 おい。痛いだのやめろだの言ったらどうなんだ。抵抗しないならもっと痛い事をしてしまうぞ。 しかし霞は一向に抵抗しようとしない。 霞は今一体何に束縛されているのだろう。 私は霞から両手とも離し、冷めた目で霞を見下ろし、ズボンのファスナーを悠々と下ろした。 自分の動きは慢心と言える程に無防備なものだが、そんな私を霞は鋭い目付きで見上げるだけだった。 霞の下部装甲を捲り、白い装甲を外す手間を惜しんで横にずらす。 「……ひ、ぐ……、っは、ぁっ……!」 慈悲などなしに主砲を突き入れると、霞は声になっていない悲鳴を上げた。 歯を食い縛ったり酸素を求めたりと忙しなく口を開閉させている。 それにしても狭い。きつい。 ふと目を落としてみれば、結合部からは明らかに赤い液体が滲み出ていた。 おいおい。見た目人間のようだと思っていたが、これでは完全に人間ではないか。 霞の血を見て自分の頭から血が引きかけたが、今更やめる選択はない。 全ての鬱憤をこの小さな艦体にぶつけるべく、無理矢理自分を突き動かす。 霞の艦内を何度も力任せに押し広げる。 最早血を潤滑剤とする事で動かす事が出来ている有様だ。 「っ! ぅ、ううっ、ぎっ……」 嗚呼、だが気持ちいい。 小さく無垢な身体を蹂躙すると嫌でも滲み出る背徳感が、征服感が、酷く快感を煽る。 痛い位に、絞るように締め上げる霞の中が、気持ちいい。 一方瞼まできつく閉じ懸命に耐える霞に、真上から影を落として罵詈雑言を浴びせる。 ほら、痛いんじゃないのか。苦しいんじゃないのか。やめて欲しいんじゃないのか。 抵抗してみろ。霞から届く距離にある屑司令官の頬を張ってみろ。霞なら出来るだろ。 出来ないのか? 上官を粗末に扱う何時もの高慢な威勢はどうした!? 何か言ってみろ!! 「……めよね……」 あ? 「惨めよねっ……!」 自分は思わず動きを止めてしまった。 霞は、どこまでいっても霞だった。 外部から駄目出しされて憤慨する自分と、気にも留めない霞。 頭の螺子が飛んだ自分と、ボルト一本抜け落ちなかった霞。 勝手に征服感を感じていた自分と、己を睨み続けた霞。 己を見失った私を、蔑む霞。 "惨め"と言うのが一体誰の事か等、考えたくもない。 「この、どうしようもない、クズ……!!」 霞の目には変わらぬ強い光があった。依然鋭く睨みを利かせてくる。 何故、挑戦的な目を向けてくる? 何故、ここまでされて屈しない? 何故、冷めた目をしていない? 「っ、……!」 自分は目を痛い位瞑って腰を慌ただしく動かし始める。 霞の底知れぬ何かを見、途端に恐怖心を抱いた。 霞の艦内を乱暴に抉って快感を得ようとし、と言うより、射精感を促してゆく。 逃げ道を作る為に、突く。突いて突いて突いて突いて……。 「め、目を見なさっ、この、クズっ……!」 「っぐ……!!」 黙れッ!! 「んんっ!! んや、ぁぁああ……!!」 歯を食い縛り、鬱憤を霞の最奥に掃いた。 暫し肩の荷が吹き飛んだような、ついでに螺子もまた数本吹き飛んだような感覚に支配される。 だが鬱憤を全て射撃し終えた頃、自分は糸が切れたように意識まで吹き飛んでしまったのだ。 …………………… ………… …… 今の時間はどうなっているのだろう。 目覚ましの音を聞く前に目覚めてしまった。 ……夕べの自分は随分と卑猥且つ下劣な夢を見たようだ。煩悩でも溜まっているのかもしれないな。はっはっは。 等と笑っている場合ではない。 その記憶の正体が夢であるならば、昨日自分は何をしていた? 開発、演習、遠征、執務、大本営に呼び出され、駄目出しされ……。 「…………!」 勝手に夢にするな。全て現実だ。 自分は、取り返しのつかない事を……。 いや待て。それなら自分がこうして服装の乱れ一切無く寝具に包まれている筈がない。 軍服のまま眠る習慣はないのだが、多分昨日の疲れでそれすら覚えていないんだろう。 起き上がって時計を見れば、起床時刻前だ。 随分と疲れが抜けた体は良い目覚めだろうが、精神的にあまり良い目覚めでないのは何故だろうな。 起き上がって私室を出ると、執務室中央のテーブルを囲うソファに、霞が腰掛けていた。 「おはよう」 「……おはよ」 霞は私の挨拶にも短くだが応じた。 ちらりと一瞥だけでもくれる霞は何時もと変わらぬ様子に見えた為、自分は安堵した。 やはり昨日のアレは、夢だったのだ。 霞、食堂へ行くぞ。 「もう食べたわ」 もう食べた? なんと早い。 起きるのは私より早くてもいいが、食事位は共にしたいぞ。 しかし過ぎた事を求めても仕方が無い。零れた水は盆には帰らない。 霞は執務を進めると言うので、お言葉に甘えてテーブルに少しの紙の束を置き、自分は食堂へ向かった。 朝の身支度も終わり、その後は自分も執務を進めようと戻った。 その頃には霞は私が提示した少しの執務を全て掃いてしまっていたから優秀だ。 それから暫くは自分の分の執務を進めていたのだが、妙だ。 "ちょっとぉ! この大事な時に艦隊を待機させるって、どういう事なの? ねえってば!" 今日の霞ときたら、いつまで経ってもこのように此方を急かそうとしないのだ。 どうしたかと悟られぬようにソファの霞に視線を向け様子を探る。 ソファに腰掛ける霞は膝上で小さく拳を作り、やや俯いたまま何処も動く気配がない。 おかしい。能動的な霞としては異常だ。 いや、能動的云々の前に像のように微動だにしないので機能停止していないか心配だ。 「霞!」 「っ、……何よ」 良かった。振り向いてくれた。機能停止してはいない。 いないが、反応が普段より遅い。寝ぼけているかもしれない。 自分は執務を取り止め、霞の手を引こうとした。 霞、少し運動しに行くぞ。 「え、う、嘘でしょ、いっ! たぁ……!」 「霞……!?」 自分はそれ程力を入れていない。 霞を立ち上がらせようと霞の手をくいと引っ張り上げただけなのだ。 しかし霞は、立ち上がったはいいが歩く事すらままならずその場で倒れこんでしまったのだ。 自分は咄嗟に屈んで霞を受け止め、床との衝突を回避させた。 だが、霞が苦痛に喘いで下腹部を抑えて蹲るその様子は、自分に良くないものだった。 脳裏に蘇る、夕べの記憶。 自分は霞を座らせ直してから、床に跪いた。 「霞、昨日はすまない……!」 「……思い出したようね」 最初から忘れて等いない。夢だと思い込んでいただけだ。 どうもおかしいと思っていたが、合点が行った。 自分の推測で補完すれば、霞は私が疲労で意識を失ってから後始末を行った。 動くのが困難になった霞は、このソファで眠りについた。 起床した私は忘れていると思い、食事もせずひた隠しにしようと嘘をついた……。 霞、何故責めないのだ。 霞を傷つけたのだ。 この罪はどうやっても償えない。 そうだ。せめて。 「責任を取って切腹を……」 「やめて!!」 私の自責の念は、霞の悲痛混じる大声で遮られた。 思わず顔を上げる。 霞は、見た事もない程顔にその感情を滲ませていた。 「あ……、なんでもないわ」 何故そんな事が言えるんだ。 何故撤回しようとするんだ。 霞は目を逸らして一つ咳払いをしてから、跪く私の目を覗き込むように顔を近づけた。 もう普段通りの吊り目が顔に作られていた。 「馬鹿でしょ。クズ司令官が死んだところで私にした事は消えないし、それに、他の艦の事はどうするのよ」 私より軍に向いているであろう士官なんかごまんといるだろう。 こうして艦娘に当たる自分よりマシな人間が後任に就く可能性は高いはずだ。 それに、死ねば消えると思って言っているんじゃない。 「責任取るって言うのなら、ちゃんと取りなさいよ。死ぬのは逃げの一手にしか見えないから」 それは……。 そういう考え方もできる。 私は納得してしまい閉口せざるを得なかった。 少しの沈黙が流れた後、霞は静かに口を開いた。 「昨日の話だけど、私は、あんたのやり方は嫌いじゃないわ。 私は別に、上の人間に従えって言ってるんじゃないの。 あんたはやり方が悪いんじゃなくて、やり方に見合った実力が足りてないだけ」 「だから、今は黙って私について来なさい。ガンガン行くから」 霞は、よく注意して見ないと分からない程度だが、私には笑っているように見えた。 嗚呼、優しさが身に染みる。少し優しさが過ぎるんじゃないか。 何故そこまで前向きに考えられるんだ。 全く、秘書はこんなにもできた艦なのに、昨日の自分は本当に何本螺子が飛んでいたのだ。 思えば、昨日の霞は単に私を励まそうと、慰めようとしていたに違いない。 自分が勝手に曲解して一人で暴れて霞をとばっちりに合わせただけなのだ。 阿呆だ。海軍軍人最大の阿呆だ。 そんな自分の部下である筈の此奴はこうも変わらず偉そうな口を叩くが、 実際それに見合った実力があるのだ。私とは違うのだ。 最早ついていけるか不安もあるが、ついて行ってやる。 霞らしくなくなってしまうから、待っていろ、とは言わない。 今は霞の背中を追うが、やがては追い付いて肩を並べ二人三脚が出来るくらいまで成長し、 あの憎たらしい大本営に勲章を出させてやるのだ。 私の戦いはまだまだこれからだ! 「司令官、何故今日は霞を負ぶっているのですか」 おはよう朝潮。 いや何、霞は昨日の夜戦で被害を受けてしまってな。 自身では動けないと言うからこうする事で秘書艦と行動を共にしているのだよ。 「ええっ! 霞は大丈夫なんですか!? それなら修復ドックに……」 修復ドックでも治せないんだ。しかしこうして私の背中にいればそのうち治る。 私の背中は特別な修復ドックでもあるのだ。すごいだろう朝潮。一隻限定だぞ。 「へぇー……!」 「朝潮、嘘だから真に受けないでよ」 違うと言うのか。 ならこの背中を降りて修復ドックに浸かるか? この問い掛けに、霞は返事をしなかった。聞こえていない振りか。 こうして私に身を委ねる霞の今の心境は如何ほどのものか。 きっと吐露しようとはしないだろう。 しかし、吐露してくれなくても分かる事はある。 霞は私の首に腕を巻き付けつつも、首が絞まらないように気遣ってくれている。 人の背中に体を預ける以上それは当たり前の事なのだが、 私に身を預ける事に何ら抵抗を示さないだけでも霞は私の事を蔑ろに思ってはいないと言う事だ。 私も吐露はしないが、昨晩あんな事をして置きながら態度を変えない霞が今は愛おしくてたまらなかった。 霞の嘆息をうなじで受けながら、私は霞と朝潮と共に食堂へ向かう事にした。 「あーもう、司令官が出来損ないのクズだと苦労するわ……」 177 名前:2-683[sage] 投稿日:2015/02/22(日) 08 02 55 ID G9FxYqM2 以上 15-188の続きみたいなもんで 霞好きな人を増やしたい 霞だって可愛いところはあるのよ 178 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/22(日) 08 28 19 ID TKrX5a/c GJです! 179 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/22(日) 10 35 55 ID Kw92rUww GJ。 霞は最近もっとあの隠れ面倒見の良さとか振り返られていいと思う これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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コン……コン。 控えめなノックが、執務室に漂う夜の静寂を打ち破った。 「入りたまえ」 僕は努めてぶっきらぼうに、ドアの向こうの気配へと声をかける。 「て、提督、失礼……します」 おどおどした様子のひとりの少女が、月明かりだけが照らす執務室の扉を開いた。 「い、磯波……です。ご、ご命令により……出頭いたしました」 消え入りそうな声で彼女は名乗り、執務室の入り口で敬礼をした。 僕が黙って頷くと、磯波は真鍮のドアノブを回し、静かに扉を閉めた。 しばし僕は、青白い月の光に浮かぶ磯波の姿をしげしげと観察する。 穏やかな波間を思わせる、三つ編みの黒髪。日々、遠征の任に駆り出されながらも白さを保つ若々しい肌。 膝より少しだけ高い、吹雪型のセーラー服から垣間見える、柔らかそうな太腿――。 普段彼女が足を踏み入れることも、いや、直接的に話したことさえも殆どない僕の部屋に 招かれた彼女は、いつにも増して小さく、儚く見える。兵装が完全に解かれている今は尚更だ。 現に、この部屋の中にいるのは磯波と僕だけだというのに、彼女は一向に僕と目を合わせようとしない。 照明が完全に落とされた執務室の中、磯波の長いまつ毛の奥にある瞳は、内股に寄せられたブーツへと 所在なさげに落とされたままだ。 ふぅ、と僕が大きくため息をつくと、それだけで磯波は細い肩をぴくっと躍らせた。 それでも僕は黙ったまま、磯波に更に視線を注ぎ込む。 「……ぅう」 磯波は、吹雪型が揃って纏うセーラー服の胸元の紐をいじりながら、チラチラと僕を見た。 僕からの一言を引き出そうと、必死のようだった。 海から吹き込む穏やかな風が窓から吹き込み、白いカーテンを揺らす。重たい空気の中、 時が確かに進んでいることを示すかのように。 だが、それでも僕は革張りの椅子に深く腰をかけたまま、彼女をじっ……と見つめたままだ。 磯波は、震えているようにさえ見えた。 「あっ……あのう……提督」 部屋の隅と僕の間を、まるでげっ歯類の動物のように素早く、しかし居場所なさげに視線を 揺らしながら、磯波がようやく唇を開いた。 「磯波に……何かご用でしょうか?」 彼女がこの鎮守府に配属されて2週間。僕は初めて、その声をまともに聞いたような気がした。 それは、本当に女の子らしく、か細く……そして消え入りそうな声だった。 仮に月が雲に隠れていて、磯波の実体が目の前に映し出されていなければ、耳に届いてさえ いなかったかもしれない。 磯波はそれ程までに控えめな声で、ようやく言葉を口にしたのだった。 僕はその声の余韻を耳に感じながら、彼女を手招きする。 部屋に入ってからというもの、一歩たりとその場を動かなかった磯波が、ようやく小股で 執務机へと近づいてきた。しかし絨毯が敷いてあるとはいえ、足音がほとんどしない。 意識的に音を殺しているのだとすれば、どれだけ自分に自信がないのだろうか。 ――もっとも、僕が彼女をこの部屋に呼んだ理由は、まさにそれなのだけど。 磯波は思った通り、執務机の前にたっぷり1メートルの間を取って、僕の正面に立った。 僕からは机を挟んで、ほとんど2メートルも離れていることになる。 「はぁ……」 予想はしていたことだが、僕は思わず2度目のため息をつき―― 「磯波?」 ようやく彼女の名前を口にした。 優しく名前を呼んだつもりが、彼女は身体を強張らせ、両目をぎゅっと閉じてしまった。 言い訳もできず、叱られるのを待つだけの子供のようだ。 「自分がどうしてこの部屋に呼ばれたか、分かっているかい?」 首を縦にも、横に振るでもなく、ますます磯波は体を小さく、固くしてしまう。 僕はほの暗い中、デスクの書類受けに手を伸ばした。 「磯波、配属されてどれくらいになった?」 「えっ?」 「二週間だ」 忠実な秘書艦娘が纏めた数枚のレポートをぱらぱらと捲り、そのうちの一枚を彼女の方へと差し向ける。 「見たまえ」 磯波はまるで危険な生き物にでも触れるかのように、コピー用紙におどおどと手を伸ばす。 暗闇の中では読みづらいのだろう、柔和そうな垂れ気味の目が細められ、書類を走った途端―― 「あ……ぅ……!」 磯波は驚愕とも恐怖ともつかない顔になり、そのまま硬直した。 「それは君の、ここ二週間の成績を纏めたものだが、見てのとおりだよ。残念ながら 、先輩諸氏のような戦績を残せてはいない。遠征にしても、作戦にしても、だ。分かるね?」 「は……はい……」 磯波はがっくりと肩を落としたまま、細い首を小さく縦に振った。 「同じ吹雪型と比較すると、なおのこと顕著だ。どうしてこんなに差が出るんだろうな? ん?」 月明かりのせいでなく、磯波の顔は、真っ青だった。 「あのっ……あの、提督……!」 磯波はレポートを持つ両手を強張らせながら、何かを伝えようと必死だった。 「これは……そのっ、私……」 「それに聞いたところによれば、何度か他の艦娘と衝突しかけたとか?」 意見しかけた磯波を、僕はより強い言葉で一蹴してやる。 「その衝突が原因で隊は陣形を乱し、結果的に燃料と弾薬を海中に失ったそうじゃないか……」 磯波は口を開いたまま、自分の意見を完全に失っていた。息をするのさえ忘れていそうだった。 「あの日は悪天候だったからな。遠征の報告書には、荒天に伴う高波の影響で物資を消失した、 とされていたよ。正式な報告書には、君の不始末はひとつも上がってきていない。言った通り、 あくまで『噂』だ」 磯波は魂が抜けたような、愕然とした表情のまま、何も映ってはいないであろう瞳をレポート用紙に 落としている。提督である僕と会話していることさえ、否定するかのように。 「だが、君の成績を見るにつけ、一度直接に確認しておかねばと思ってね。磯波、衝突は真実か?」 答える代わりに磯波は、よろけるように半歩、後ろに下がった。 「どうした磯波、答えたまえ」 「……う……わ、わた……」 「磯波! はっきり答えたまえ!」 焦れた僕は、少しだけ語気を荒げ彼女の言葉を再び遮った。それだけで―― 「くぅ、 う……」 どこまでも静まり返った部屋に、たっ、たっ……と、絨毯に雫が落ちる音が響いた。 磯波の、涙だった。 磯波は薄い唇を噛みしめ、必死に涙を堪えようとしている。しかしその意志とは裏腹に、 熱い雫が白い頬に幾重もの軌跡を描いては、カーテンを透かす星の光に輝いた。 「それが貴艦の答えか、磯波?」 僕は椅子から立ち上がると、磯波の方へとゆっくり近づいていく。 「その涙が、僕に対する答えだというんだな?」 静かな僕の怒声に、ひんっと磯波が子犬のように鳴いた。 そしてまるで磁石の同極のように、僕が近づいた分だけ離れようとする。 だが、逃がすつもりは毛頭ない。 「どこへ行くんだ」 磯波の細い手首を、僕はがっしりと掴む。 「いや……あっ!」 磯波はレポートを取り落とし、僕から逃れようと顔を背けた。 「その涙が何で出来ているか、分かって泣いてるのか! 答えろ磯波!」 「うぅっ、は、放してぇ!」 「貴艦が目からこぼしているそれは、何だと聞いてるんだ、僕は!」 抵抗しようとする磯波の手を振り払い、僕はもう片方の手で磯波のきれいに編み込まれた おさげを掴み、容赦なく引っ張った。 「きゃあぁぁ!?」 磯波の悲鳴と散らした涙がきらめいて、暗黒の絨毯へと吸い込まれていく。 「提督ッ! うあっ、痛い、いたいですぅっ!」 「まだ『無駄』にする気か、その涙を、あぁ?」 悲鳴を上げるのも構わず、僕は磯波の小さな耳を引き寄せて、息さえかかるであろう距離で言い放つ。 「貴艦が流しているそれは、戦列を同じくしている駆逐艦娘達が運んできた『燃料』だろうが!?」 抵抗する磯波の体から、ふっと力が抜けたのが、良く分かった。 「日々危険な海域を掻い潜り、やせ細る兵站を何とか維持しているのに……何だ貴艦は? 燃料一滴持ち帰れもせず、ロクな戦果も無いくせに、のうのうと補給まで受けて、更に無駄遣いか!」 返事がない中、「ふっ」と僕は小さく鼻で笑い、もう一言。 「磯波……我が鎮守府はね、常に逼迫しているんだよ。燃料も弾薬も……それに鋼材も」 力の抜け切った磯波の腕を放し、僕は頬を伝う涙を指で掬った。人間のそれと同じく、熱い。 「この涙さえ、一滴も無駄にはできないんだぞ?」 言って、朴は磯波の雫を口に含んで見せた。 塩辛く、ほのかに甘い味が舌に広がり、消えた。 「常勝無敗、そんなもの僕は端から求めていやしないさ。だがね、子供のお使いにも劣るような 近海の輸送任務も果たせず、あまつさえ味方に損害を与えてしまうような艦は……僕の手には 少々余ってしまってね」 「あ……あ、ぁ……」 「君の処遇は、試験運用期間の終わりを待つまでもなく決まりそうだ、磯波。貴艦の意向は既に伺ったしな」 「え……?」 顔を背けたままの磯波が、怯えきった表情で僕を見つめた。 「わたし……まだ、何も」 「何を言ってるんだ、貴艦は。僕は確かに『聞いた』よ?」 磯波の細い肩にぽんと手を突き、僕は笑顔で首を横に振った。 「僕の質問に対して、磯波。貴艦は無言だった。即ち衝突の一件は申し開きの余地無し、と。そうだな?」 ただでさえ青白かった磯波の顔から、さああっと音を立てて血が引いていった。 「ち、ちが――」 「磯波、貴艦は最期に正しい判断をした。衝突した艦を修理するために、自ら一肌脱いで――」 「だめっ……提督! い、嫌……いやあぁ……ッ!」 僕の最後通告は、磯波のか細い悲鳴にかき消された。 硬直したままだった磯波の身体が急にがくがくっ! と震えたかと思うと―― ぽたっ、ぱたぼた……っ。 スカートの下から漏れ出した雫が、絨毯に染みを広がらせていく。やがてその波は勢いを増し―― しゅわああ、あああ……。 あふれ出した温かな金色の流れが、湯気を上げながら絨毯へと降り注いだ。 太腿にも幾筋もの細かな流れが至り、紺のハイソックスをしとどに濡らしている。 「うぅっ、うううう~ッ……」 磯波は絶望とも、解放ともつかない声で呻いた。きつく閉ざされた瞼の間からも、まだ涙が溢れている。 僕がおさげを放してやると、磯波は自分の作った水たまりの上に膝を折りへたり込んだ。 まだ全てが出切らないのだろう。細い肩を震わせ、磯波は両手で顔を覆い、すすり泣いている。 「ふっ、何だ貴艦は。燃料タンクにも欠陥があるのか?」 たった今、体を離れたばかりの生暖かく、そして若々しい磯波のにおいを吸い込みながら、僕は笑う。 「貴艦の姉さん達が聞いたら、さぞ悲しむだろうね。それこそ姉妹などとはもう――」 「いゃ……です……! て、と……く……!」 磯波は顔を覆っていた両手で濡れたスカートの裾を握りしめ、僕を食い入るように見つめていた。 「提……督……! 磯波の、お願いです……!」 そして涙に揺れる瞳に、ありったけの哀願と崩壊寸前の理性を浮かばせ、 「か、解体だけは……どうか……許してください……! えぐ……ひうっ……うぅぅ……」 何とかそれだけを言い切ると、磯波は天井を仰ぎ、静かにすすり泣き始めてしまった。 「すんっ……まだっ、まだ、磯、波は……うあぁ……あぁ……ぁぁ……」 僕の乱暴な扱いに抗ったからだろう。セーラー服はすっかり着崩れ、さらけ出た肩が夜風に震えている。 月夜に照らされながら細い顎を上げて涙にくれる磯波は、船首をもたげて静かに沈んでいく軍艦を思わせた。 磯波は、完全に堕ちかけていた。このまま放っておけば、手を下さずとも次の作戦あたりで 沈むかもしれない。 静かに彼女が朽ち果てる姿を見ていることもできる。だが、僕はそうはしなかった。 ――そうしては、意味が無いのだからね。 「磯波……解体は、嫌か?」 磯波はうっすらと黒い瞳を開き、言葉を知らぬ子供のようにこくっと頷いた。 まだ、魂は生きているようだ。そこは艦娘、歴戦の軍用艦の名を引き継ぐ少女達である。 「そうか……だが磯波、僕は貴艦を今のまま運用することはできない。故に『改造』する」 「かい、ぞう?」 「あぁ、そうだ」 言いながら、僕は磯波の前にしゃがみ込んで視線を同じくした。 「磯波……人にも艦にも、『向き不向き』がある。僕は貴艦らのようには戦えない。しかし、 貴艦らを率い、深海棲艦に立ち向かう術を与えることはできる。『適材適所』とでも言おうか」 「はい……」 磯波は時折しゃくりあげながら、涙声で応じる。僕はゆ磯波が落ち着くのを待ち、続ける。 「磯波、君は艦娘ではあるが、今はたまたま、戦いに『向いていない』だけかもしれない。 ならば、貴艦は生まれ変わらねばならない。貴艦が建造され、進水され、この鎮守府に就役した ことに、意味を持たせる。それは貴艦を『改造』する事のみによって成し得ることだ。分かるね?」 「は、はい……!」 磯波は若い。蒼白だった頬に血色が戻り、何も知らない子供同然の瞳に、月と星の光が再び 差し込んでいる。暴れて着崩れたセーラー服の奥で止まりかけていた心臓が強く動き出して いるのが手に取るように分かった。 僕はよし、と小さく頷く。 「磯波、では早速だが、改造の儀式に移る。深呼吸して、息を整えろ」 「はい、提督!」 磯波は袖で顔を拭うと、言われた通り、二度、三度と胸を開いて大きく息を吸い、少しむせながら 吐き出した。 「よおし、いいだろう」 僕は人差し指を柔らかな磯波の頬に寄せ、拭いきれなかった涙をそっ……と掬い取る。 そしてその指を、ゆっくりと磯波の鼻先へ。 「磯波……目を離すな。僕の、貴艦の提督の、人差し指から」 「はい……」 磯波の黒目がちな瞳が、しっかりと、僕の指先を捉えている。 「貴艦を改造する第一歩、それは、貴艦自信をよりよく知ることに他ならない」 「はい……」 僕はその視線を試すように、ほんの僅かに指を右へ、左へと動かしながら、静かに囁く。 「磯波、僕はこれからひとつ質問をするが」 「はぃ」 「貴艦はその答えを、もう知っている。僕は既に、貴艦に答えを与えている。磯波……いいね?」 「は…………ぃ」 極度の集中からか、磯波の表情は虚ろになりつつも、その唇は既に僕がこれから命じようと してることを鋭敏に察していた。 僕は磯波の正中で、ぴたりと指を止め、問う。 「磯波……貴艦の身体から零れた『これ』は、何だ?」 磯波は答えるよりも早く、そっと唇を開き―― 「んっ……」 僕の指を、優しく暖かな口の中へと運んで、ちゅぱっと涙を舐めとった。 「ん……ふっ……。『これ』は、皆が運んでくれた……燃料、です……提督」 「良い娘だぞ、磯波」 優しく頭を撫でてやると、雲間を抜けた月の光が、ふっと強まった。 カーテン越しに届くその静かで鮮やかな白に照らされた磯波の表情を見て、僕は少し驚いた。 磯波は、笑顔を浮かべていた。 「あ、ありがとうございます、提督……」 思わず細められた磯波の眼から、悲しみや恐怖とは違う涙がこぼれる。 「おっと、磯波?」 「も、申し訳ありません……れろ……んちゅ」 咄嗟に僕が手で受け止めたそれに、磯波は躊躇なく滑らかな舌を這わせ、丹念に舐め取る。 「は、初めて……だったので、つい」 「何がだい?」 「そのっ、提督に……褒められたのが」 磯波は僕の手を取ったまま、はにかむように小さく、口もとだけで笑った。 瞳からまた涙がこぼれるのを防いだつもりだったのかもしれない。 ――成程、健気で……想像以上に早い『仕上がり』だな。 「磯波……!」 次の段階の到来を感じた僕は、へたりこんだままの磯波の足元へと手を伸ばした……。磯波ちゃん×提督6-853に続く
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前回の話 630 :鎮守府慰安労働:2015/01/03(土) 22 42 01 ID /45yD3go 青年が鎮守府に入り、慰安労働を行いながら早くも二週間の時が過ぎていた。 始めは鎮守府唯一の男性として訝しく思われたが、馴染んだものである。 提督のおかげでしょっ引かれることなく、彼は今、東(あずま)の仮名で呼ばれていた。 しかし慰安労働と言っても、特別なことは何もしていない。 「すいません東さん、お手を借りてもよろしいですか?」 「はいは~い、今行きますよっと」 艦娘たちの母的存在である軽空母、鳳翔に頼まれて家事をやることも日常茶飯事だった。 掃除や洗濯といった基本的な家事から、居酒屋鳳翔の皿洗いや食卓の準備にも奔走する。 本格的な料理はできないものの、鳳翔一人でやるよりも確実に店の回転は速くなっていた。 人当たりの良さもあって、料理以外のほとんどの仕事をこなしている。 当然、利用する艦娘たちと顔を会わせる機会にも恵まれ、一躍顔の広い存在となった。 「むむ、やりますね東さん! でも負けませんよ!」 「何の! 遊びに限っては負けるわけにはいかないな! これでどうだ!?」 「ぐわー、やられたー!」 もとより遊び好きな性格が功を奏し、夜更けまで夕張と遊び倒すことも少なくなかった。 卓上ゲームに身体を使ったゲーム、時にはテレビゲームでも互いに高め合った。 没頭しすぎた結果、二人して寝坊したことも仲の良さに一入なことは疑う余地もない。 時には大人数でも遊びまわり、居酒屋鳳翔とは別の層の友人関係も出来上がっていた。 「つまり複縦陣とは、二方向からの同時攻撃によって攻撃でも防御でも利点があるのです」 「ふむふむ、なるほどね。じゃあ輪形陣は?」 「主力たる空母を守り、戦力として維持することが最大の利点と言えるでしょう」 また興味があるという理由で、不知火や神通を始めとする座学に参加することもあった。 東自身が戦場に出ることもなければ、艦隊の指揮を執ることがあるはずもない。 しかしその姿勢は高く評価され、こちらも多くの艦娘との信頼関係を築く結果となった。 時には夕張方面で知り合った、天龍のような攻めっ気の強い艦娘に座学の重要性を説く。 それらの関係が築けたことも、ひとえに鎮守府を率いる提督の機転があればこそだった。 「いやはや、女だてらに見上げた人だって、ここの提督さんは」 東は割り振られた部屋に戻り、ベッドに身を投げながら呟いた。 631 :鎮守府慰安労働:2015/01/03(土) 22 42 36 ID /45yD3go 東が鎮守府に入ったあの日、普通ならば軍法会議に掛けられてもおかしくはなかった。 だが大和の口添えもあり、提督は第一艦隊を指揮して鎮守府近海で演習を執り行った。 その際に砲撃が“誤って”民家を吹き飛ばし、一名が消息不明という状態を作ったのだ。 これにより書籍上、東は一時的に行方不明となり罰せられることはない。 こうして上層部の目を欺きながらも、艦娘たちには鎮守府に来た手伝いとして通している。 無論演習で吹っ飛ばした民家は掘立小屋のような家で誰もいない、提督の偽装である。 ほぼ完璧な偽装により、東の存在は誰にも怪しまれないまま、すっかり溶け込んでいた。 しかしふと東の口から、唯一にして最大の不安がこぼれだす。 「みんなガード緩すぎ……」 「東さ~ん? お風呂が空きましたよ~」 「は~い、今行きま~す」 呼びに来てくれた夕張の声にドア越しに応え、タオルと寝巻を手に風呂へと足を向ける。 提督から、全艦娘の入渠が終わった後ならば露天風呂を使用する許可が下りていたためだ。 もし空いていればという様相だったが、既に入渠スケジュールには東が組み込まれている。 心遣いも踏まえて今の生活には満足していたのだが、表情は脱衣場で一転した。 使い方が悪いわけでもなく、脱衣場がやたらと汚されているわけではない。 誰もが後に使う者のことを考えて使ってはいるのだが、それと別の意味で意識が低いのだ。 ロッカーを見れば着替えを忘れていたり、洗濯物の一番上に下着を見せつけるようにおいていたり。 無理もないことだが、男性に対する意識が異常なまでに低いことが東の最大の悩みだった。 東とて一男性、強すぎる刺激を受け流しながら湯につかる。 「慰安労働だけで助けてもらえるのはありがたいんだが、脱衣場の環境がきつすぎるな」 二週間も鎮守府での生活を続けていれば、脱衣場の環境を目にしてきた期間も長い。 一般的な下着だけではなく、艦娘たちの生活スペースである以上それにとどまらない。 潜水艦娘たちのスクール水着、島風のZ旗を模した下着、明石や大淀の変則スカート。 一般的な下着であっても、夜戦を意識した川内の黒いパンツや改二を迎えた榛名の縞パン。 特徴的な服を身に付けた艦娘が揃う鎮守府は、ファッションショーばりの品ぞろえだった。 「――――!! ……最悪……でも催さない方が無理だよな、みんなすっげー美人だし」 632 :鎮守府慰安労働:2015/01/03(土) 22 43 06 ID /45yD3go 思わず催してきた東の主砲は、気付けば湯船の中で徐々に仰角を上げてきていた。 衣類で興奮するタイプではないと言い聞かせながらも、周囲の艦娘は美女揃いと来ている。 そんな彼女らが身に付けていた服が、無防備に転がっていれば気にならないはずがない。 誰もいないうちに鎮めてしまおうか――。 「いや~、遅くなってしまった。ついてないのう、遠征で敵とかち合うとは」 「うわぁお! な、なな、おい! ちょっと待てっ!」 そんな思考を勢いよく吹き飛ばすように、元気よく飛び込んできたのは浦風だった。 まとめている青髪を下ろした姿は、普段の快活さを抑えた大人びた雰囲気を醸し出す。 大和とは一味違った体躯の持ち主ながら、メリハリのある身体つきは素晴らしいの一言。 制止を呼びかけた東も思わず見惚れかけるほどで、駆逐艦とは思えない身体である。 一方で浦風は涼しい顔で、慌てている東が不自然と言わんばかりに小首を傾げる。 鎖骨から下はバスタオルを巻いているものの、その程度で抑えられるほどの身体ではない。 軽巡洋艦、下手をすれば重巡洋艦に迫るほどの胸部装甲は触れずして東をけん制し続けた。 「おっと。確かお手伝いさんの東じゃったか? そうか、あんたの入浴時間じゃったか」 「そうだよ! 今日分の入渠スケジュールは消化したんじゃなかったのか!?」 「遠征先で敵水雷戦隊と鉢合わせて、一戦交えたんじゃ。結果的に中破してしまってのう」 「中破? 浦風の練度で珍しい……じゃなくて! 俺が入ってるんだから少し待てよ!」 「そんな気にせんでええ。うちが勝手に入るだけじゃけえ、東ものんびりせえや」 東の意思は半分も伝わらないまま、浦風は椅子に腰掛けてシャワーを浴び始めてしまった。 湯を浴び、下ろされた髪の毛は肌に張り付き、きめ細やかさを見せつけるように光る。 潤った肌は水玉をまとって輝き、透明感のある素肌には目を吸い寄せられずにいられない。 肌のきめ細やかさ、髪の美しさ、スタイルの良さ、東は思わず何も言えずに見惚れていた。 しかし我に返ってみれば困ったもので、東の息子は浦風の登場で仰角をさらに増していた。 主砲どころか連装高角砲ばりの仰角を誇っており、固くなり、屹立してしまっている。 もし浦風にちらっとでも見られてしまえば、どう頑張っても言い逃れはできない。 今一度、東は深く湯船に浸かり、どうにかして抜け出す策を練る以外に何もできなかった。 だからといって、浦風に見惚れてしまった東の頭が正常に働くはずもない。 考えを巡らせようと目を閉じてみても、バスタオル姿の青髪の美少女の姿だけ。 633 :鎮守府慰安労働:2015/01/03(土) 22 43 36 ID /45yD3go その時、シャワーが止まる音に続けて石畳を歩いてくる足音が響く。 一通り身体を洗い終わった浦風は、東を気に掛けることもなく湯船に浸かった。 あろうことか、息子の屹立がばれないかとびくびくしている東の真横だ。 「おい浦風、近いぞ」 「少しばかり聞きたいことがあるんじゃ、ええか?」 「い、いい、けど……?」 「無理やり女に犯されても男は感じる、というのは本当じゃろか?」 一瞬、二人はおろか露天風呂全体の空気が凍り付いたのを同時に感じた。 突拍子もないタイミングで聞くにしては、あまりにインパクトのありすぎる質問。 挙句、艦娘といえど年頃の娘が年頃の男性に投げ掛ける質問とはいいがたいものだった。 詰まりそうな呼吸を懸命に再開し、東は隣で視線を湯に落としている浦風に口を開く。 「本当か、ということは誰かから聞いた話か?」 「青葉から聞いた話じゃ」 「あのパパラッチ、今度会ったらシメてやる」 今も二人に向けてカメラを構え、にやけている様子が容易に想像できてしまう。 どちらともなく視線を露天風呂中に走らせるが、不審な影や気配は見当たらない。 しかし青葉の話に興味があるのか、浦風の話題はぶれなかった。 「それで東よ、それは本当なのか?」 「いや、だから、それはだな」 「ええい、はっきりせえ! もういい、自分で確かめてやるけえの!」 「自分で!? やめろ浦風! それだけは――!」 決死の制止もむなしく、浦風は見事な体捌きとともに水中で回れ右。 滑るように湯の中に沈み込みながら、東の足の間に身体を滑り込ませた。 そのまま膝の裏に腕を差し込み、浴槽の床を蹴って身体もろとも東を大きく跳ね上げる。 日常的に鍛えられている浦風の腕力と浮力が重なり、東はいとも簡単に打ち上げられた。 あられもない姿を晒し、石畳の上で血の気の引いた表情だけを浮かべている。 もはや悲鳴を上げることもままならないのか、涙目で固まっていた。 一方の浦風は何も言わないままだが、東のソレに目を引かれて動けなくなっている。 表情こそ訝しげで何とも言えない顔をしていたが、じっと睨みつけて観察に走っていた。 695 :鎮守府慰安労働:2015/01/09(金) 02 20 42 ID 4qeWaX0k 「……ぶち硬いのう、それに熱い」 いきり立ったソレを手のひらで包み込みながら、浦風は慎重に力を込めて言葉を漏らす。 女性提督が率いる鎮守府の中では男性を見ることすら珍しく、男性器などもちろん初見だ。 東をちんぐり返しの体勢で固めながら、身体が火照るのを感じずにはいられない。 何を考えるでもなく、吸い寄せられるように浦風の顔が近付いていった。 「風呂じゃというのに凄いにおいじゃ。えっと、青葉が言うとった通りなら……はむっ」 静かに近付いた浦風は、青葉からの情報通りに東のソレをゆっくりとくわこんでいく。 風呂場だというのに強烈なにおいを発するソレを、不思議なことに嫌とは思わなかった。 むしろ硬く反り、充血し、細かく震えるのが口の中に伝わるたびに愛おしさすら覚える。 徐々に慣れていく中で、既に経験があるのかと思えるほど積極的に舌を絡めていく。 一方でどうしていいか分からないのは東の方なのは言うまでもない。 二週間同じ屋根の下で暮らしてきた美少女が、風呂に入ってきたと思ったのも束の間。 話を聞くどころか、逆レイプも同然の勢いで自分のソレを深くくわえ込んでいるのだ。 女性経験すらない東にとっては天変地異にも等しく、今にものぼせてしまいそうだった。 いや、そうでなくとも今の光景を前にして正常な思考などもてようはずもない。 「浦風、頼む、話を聞いてくれ」 「んん、ふぁ? なんら、ひもひよふふぁいふぁ?」 ちんぐり返しで固められながら、くわえたまま返事をされるだけで快楽が身体の芯に響く。 熱い熱い美少女の口で、日常では体験できない粘液に包まれながら舐められる感覚。 気持ちよくないはずもなく、押し退けようにも力を込めることすら妨げられていた。 浦風の頭を押して突き放そうとしても、ただ喘ぎながら叶わない抵抗をする獲物の様だ。 しかしそれも無理はなく、浦風の口技は高い技術で東に襲い掛かっていたのだから。 舌を尖らせながら鈴口を穿いたり、広げながら亀頭全体をざらついた舌で舐め回したり。 カリ首を抉れば意思に関係なく東の腰が跳ね、口をすぼめては我慢汁が吸い出される。 あらゆる手段、あらゆる場所を舐め回されるうちに東の意識はもうろうとし始めていた くぐもった水音と懸命に奉仕しながらの上目遣いなど、理性ごと吸い出されそうなほど。 「んむ、れろ、はむ、んん~む、ん、気持ちいいかの? 東、目が点じゃのう」 「うらか、ぜ、浦風……」 「もううちのことで名前が一杯じゃのう。じゃがうちも東のことは嫌いではないけえの」 「浦風、離し、て」 うわ言のように繰り返される自分の名前に、気を良くした浦風の行為はさらに加速する。 舐めるよりも前に、湯船から身を乗り出して東を持ち上げていた体勢から一転。 ちんぐり返しで固め、上から石畳に押し付けてわずかな抵抗も許さなくなっていた。 696 :鎮守府慰安労働:2015/01/09(金) 02 21 16 ID 4qeWaX0k 舌を使わずに頭を上下させながら、喉全体で締め付けながらソレを吸い上げていく。 マウントポジションに近い状態だからこそ、抵抗をされても気になることはない。 むしろ今の東に抵抗らしい抵抗などできるはずもなく、一方的に浦風の責めが続いた。 瞬間、浦風の口の中で東のソレが唐突に硬さを増して膨張した。 同時に今までにないほど大きく東の腰が跳ね、浦風の喉にソレが突き立てられた。 「んんっ!? ぷあっ、な、何を――!?」 「俺、もう、だめ、ごめん、我慢が、無理……!」 「んぶっ、んんっ! んう、んんうううう~!!」 東の言葉から間髪入れず、浦風の口内に精液が迸った。 凄まじい勢いの射精によって、精液で一杯になって溢れかえるほどだった。 あまりの勢いに驚くことも忘れ、口の中に留めることもできずに流れ込んでいく。 二度、三度と東の腰が跳ねるたびに飛び出す精液に堪えきれずに思わず浦風は口を離した。 「お、おどりゃ、どれだけ出せば気が済むんじゃ!」 「うっ、あっ、ぐっ! ああっ!」 「出すなと言うとる、のに! うひゃあ、顔にまで!」 「も、もう、無理……」 「東? こら東、起きろ! 東ぁ!」 口の中はおろか、顔から身体にまで精液をかけられながら声を上げる浦風。 その前では東がすっかりのぼせあがったおかげで、眠るように気を失ってしまっていた。 パニック状態になった浦風は誰かを呼ぶこともできず、ひとまず二人で脱衣所に向かう。 互いにバスタオルで身を包み、誰にも見つからないように浦風の部屋に向かった。 東が目を覚ましたのは、浦風が今にも寝ようかというタイミングになってからだった。 しかし東のご機嫌はななめで、ベッドに腰掛けた東の前で浦風は正座している。 「浦風。何したか分かってるんだろうな?」 「す、すまん。青葉の情報に流されてしまってのう」 「あいつは今度〆る。ひとまずだ、今日のことは他言無用だ、お前も気の迷いだろう」 「いや、じゃが待ってくれ。うちの東に対する気持ちは本物じゃ」 「そうだな、嫌いじゃないって言ってはくれたからな。とりあえず助かった」 反省が見られたことから、東は話を切り上げながら腰を上げる。 翌日には鎮守府の手伝いも残っていれば、浦風にもこなすべき予定が詰まっていた。 その時、部屋を後にしようとした東の背中に浦風の声が響く。 「東。うち、お前のこと――」 「あぁ、嫌いじゃないんだろう? 反省してるんならそれでいいや」 「いや、嫌いじゃないというか」 「なんだ?」 「あんたのような人間、うちは好きじゃよ。おやすみ」 「ば、馬鹿。さっさと寝ろ!」 思わぬ浦風の言葉に、再び顔を赤くしながら東は自分の部屋に戻った。 その夜、好きという言葉がいつまでも脳裏に残って眠れなかったのは決して東だけではない。 しかし翌日からまた苦労話が募ることに、東はまだ気づけていなかった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/